厚生労働省の「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」は23日、国内未承認となっている体外式補助人工心臓装置など8件を、早期導入の評価対象品目に追加することを決めた。これにより、選定品目は33件になった。既に11件は薬事承認を得ており、2件が薬事・食品衛生審議会の部会承認に至っている。
厚労省が今年4~6月に医療ニーズの高い機器を募集したところ、関係学会から63件の要望書が提出された。このうち、承認済み・申請・審査中であったり、海外でも承認されていない機器を除く12件(未承認8件、適応外4件)について、専門家による選定ワーキンググループ(WG)が優先度を検討した。
同日の検討会では、WGの検討結果を審議。未承認機器については、5件を「優先度1」、3件を「優先度2」に選定して企業に開発を促し、適応外機器については、3件を公知申請ルートに載せることにした。
優先度1は、▽植込み型心臓ペースメーカ/心内膜植込み型ペースメーカリード(対象:徐脈性不整脈)▽体外式補助人工心臓装置(乳幼児・小児の重症心不全患者、移植待機患者)▽末梢血管用カバードステント(腸骨動脈等における動脈瘤、外傷性・医原性血管損傷による血管内治療)▽創外固定器用/固定用金属ピン(四肢長管骨等の骨延長等、骨端軟骨組織の変形矯正等)▽経口咽喉頭腫瘍手術器具(咽喉頭腫瘍)――となっている。
優先度2は、▽気管・気管支用ハイブリッドステント(気管・気管支狭窄)▽EAS Hearing Implant System(低音域に残存聴力を有する高音急墜型の聴力像を呈す感音難聴)▽唾液腺内視鏡(唾石症)――など。
公知申請に載せる機器は、▽矯正用インプラントアンカー(不正咬合)▽歯科用覆髄材料(根尖未完成歯の根尖歯周炎、歯髄炎等)▽根管用治療用材料(根管穿孔による歯根膜炎、根管治療予後不良の逆根管充填適応歯等)――の三つ。