厚生労働省統計情報部が発表した2008年患者調査の概況によると、調査日における推計患者数は、入院が前回の05年より7万人少ない139万2000人、外来が22万7000人少ない686万5000人で、いずれも前回を下回ったことが分かった。人口10万対でみた受療率は、入院が1090で55ポイント減少、外来が5376で175ポイント減少した。
入院患者数は、一般診療所の漸減傾向に加え、ここ10年間ほど横ばいだった病院で減少。年齢別では75歳以上を除く階層がいずれも減少した。疾病分類別に見ると、全体的に減少する中で、「神経系の疾患」や「呼吸器系の疾患」などが増加。患者数が多かったのは、「精神および行動の障害」の30万1000人、「循環器系の疾患」の28万人、「新生物」の15万9000人。
外来患者数は、歯科診療所で若干増えたが、病院、一般診療所とも減少。年齢別では、入院と同様に75歳以上を除く全年齢層で減った。疾病分類別にみると、「新生物」や「腎尿路生殖器系の疾患」などが増えたが、総じて減少。患者数が多いのは、「消化器系の疾患」の125万人、「筋骨格系および結合組織の疾患」の94万5000人、「循環器系の疾患」の89万5000人。
なお、主傷病と副傷病を合わせた患者数は、「高血圧」が164万6000人で最も多く、「精神疾患」の96万1000人、「高脂血症(脂質異常症)」の75万9000人、「糖尿病」の74万3000人と続く。
また、在宅医療の外来患者数は9万9000人だった。施設種類別に見ると、一般診療所が6割強と最も多く、歯科診療所が2割強、病院が1割程度を占める。医療の内容としては、訪問診療が6割、往診が3割、医師・歯科医師以外の訪問が1割程度となっている。
受療率は、高年齢層ほど高いものの、前回と比べると、年齢増を問わず概ね減少している。
このほか、退院患者の状況では、平均在院日数が35・6日で前回から1・9日短縮。病院は37・4日で1・8日、一般診療所は18・5日で3・1日それぞれ縮んだ。在院日数は高年齢ほど長い傾向が見られるが、前回と比べると、概ね全年齢層で短くなっている。傷病分類別で長いのは、「精神及び行動の障害」290・6日、「神経系の疾患」74・1日、「循環器系の疾患」52・7日だった。
なお、手術を行った患者の術前・術後の平均在院日数では、術前が5・8日、術後が14・5日。術前は開胸手術の11・4日が最も長く、術後は開頭手術の41・4日が最長だった。