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【経産省研究会】iPS細胞の実用化で評価法標準化‐バイオ研究の環境も整備へ

2010年04月22日 (木)
今後の施策を検討したバイオイノベーション研究会

今後の施策を検討したバイオイノベーション研究会

 経済産業省の「バイオ・イノベーション研究会」は20日、バイオ医薬品など分子標的薬の研究開発を促進するための支援策などを盛り込んだ報告書を大筋で了承した。iPS細胞を再生医療やバイオ医薬品の開発に応用するため、iPS細胞の評価方法に関する標準化を進める。また、資金や人材に乏しいバイオベンチャーに対して、バイオ医薬品の製造を受託する施設の整備も行う。報告書は5月の連休後にも正式にまとめる予定で、政府が6月にまとめる新成長戦略にも反映させる。

 報告書案は、▽分子標的薬など新しい創薬を支える基盤技術の開発▽高い安全性を生かした医薬品開発の基盤強化▽ベンチャー等の育成を通じたオープンイノベーションの推進――が柱。

 分子標的薬の開発促進に向け、遺伝子の後天的な変異(エピゲノム)を検出する解析機器などを開発し、そこから得られる膨大なデータから、疾患を引き起こす原因となる遺伝子の変異を見つけ出す情報処理技術の開発を後押しする。

 新薬の安全性を正確に予測するため、iPS細胞を用いた創薬スクリーニングシステムの開発も進める。ヒトiPS細胞を用いることで、動物実験では把握できないヒト固有の反応が測定できれば、臨床試験以前に開発中止となる医薬品を評価することができ、創薬のコスト低減につながるためだ。具体的には、再生・細胞医療や創薬のためのモデル細胞に用いるiPS細胞の評価手法の開発と、国際標準化の推進を支援する。

BV支援会社の設立も視野

 バイオ医薬品の開発・実用化に取り組む、バイオベンチャーの支援策も盛り込んだ。バイオ医薬品の開発は、大規模で高度な製造施設を必要とするため、バイオ医薬品開発に取り組むベンチャー向けのコンサルテーションや、人材育成、共同研究、共同製造受託などを行う支援会社を立ち上げ、バイオベンチャー企業への全般的な支援に向けた体制整備も行う。

 会議では、委員から、報告書の内容を着実に実行に移すため、ロードマップを描く必要性が指摘された。ベンチャーに対するファイナンス面での支援について、より具体的なものを求める意見が出たという。

 また、この日の会合では、経済産業省の高橋千秋大臣政務官があいさつ。「中国や韓国、フランスでは、政治が前面に出て、国策としていろいろなことに取り組み、日本がこれまで得意としていたところが浸食されている」と指摘した上で、「私たちとしては、官民一体となって、国全体で推し進めていかないと、日本はますます衰退してしまうのではないかという危機感を持っている」と述べ、関係者の協力を求めた。

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