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第一類薬の販売店率が急落‐OTC医薬品市場も減少傾向続く

2010年05月19日 (水)

 昨年6月の新販売制度施行に伴って、第1類医薬品の販売店率が急落し、減少を続けていることが、日本OTC医薬品協会とインテージが行った共同調査で明らかになった。「新販売制度施行1年後のOTC医薬品市場状況と生活者の意識変化」について調査されたもので、共同調査は3回目になる。

 共同調査では、2009年4月~10年3月のSDIデータ(全国の薬局・薬店1200店を対象に、POSデータをオンライン収集したOTC医薬品調査パネル)から見たOTC薬市場の状況と、改正薬事法について消費者の意識が調べられた。消費者調査は15~69歳の男女各600人を対象に、4月7~9日にWeb調査された。

 それによると、新販売制度の施行後、第1類薬の販売店率は続落していた。09年4月が94%、5月が95%と、施行直前も微減状態だったが、施行された6月には81%と急落。その後も減少を続け、今年3月には74%と、この1年で4分の1の店舗が第1類薬販売を中止していた。その原因について、調査では「薬剤師不足で、特にドラッグストアでは第1類薬を販売する店と販売しない店とを、はっきりと分けてところが多くなってきている」と分析した。

 また、OTC医薬品市場も減少傾向が続いていることが明らかになった。09年4月~10年3月までのOTC薬販売金額を前年と比較すると、新販売制度施行前の09年4月は100・7%、5月は104・7%だったのに対し、施行後の6月には97・2%、09年7月が95・3%と減少した。新型インフルエンザの影響で、予防関連商品などの売上が増え、8月は105・2%、9月は103・6%と上昇したものの、その後は減少傾向が続き、10年2月には90・2%、10年3月は90・5%と、市場規模が縮小していた。

 09年4月~10年3月の間で好調だった薬効群は、新型インフルエンザの予防関連商品に位置づけられる「殺菌消毒剤」と「うがい薬」や、メタボ対策に関連した「女性用保健薬」などだった。一方、最も不調だったのは「総合感冒薬」で、新型インフルエンザの影響から、医療機関を受診するケースが多かったことが、要因として考えられている。そのほか、禁煙補助剤、膣カンジダ治療薬など第1類薬が低下した「その他の医薬品」や、スギ花粉量が少ない上に雨が多く、花粉症関連商品が不調だった影響で、「鼻炎治療剤」「目薬」なども売上を下げた。

 一方、改正薬事法に関する消費者調査では、「セルフメディケーション」の認知度などについて調べられた。それによると、認知度は19・3%で、前回(21・3%)、前々回(18・1%)とほぼ変わらなかった。

 「体調や薬について相談できる人」では、医師や家族が約5割であるのに対し、「薬局・ドラッグストアの薬剤師」は15・3%、「薬局・ドラッグストアの登録販売者」は1・8%と、まだまだ低い状況だった。

 「あなたが考えるセルフメディケーションとは」という設問では、「血圧や体温などを測定し、普段から体調管理を行う」(56・2%)、「規則正しい生活を送る」(37・4%)、「日常の食生活に気をつける」(36・1%)などが上位を占めた。一方で「軽度な体の不調はできるだけOTC薬で対処」は8・3%にとどまり、予防志向が強く出た結果となった。

 薬剤師や登録販売者に対する認知度は、薬剤師場合、「役割まで知っている」が55・6%、「名前は聞いたことがあるが、役割までは知らない」が38・9%。登録販売者では、それぞれ16・9%、50・6%という状況だった。

 OTC薬購入時の相談内容では、いずれの薬効群についても、「自分や家族の症状に合う薬について」が最も高かった。相談が「役に立った」(65・2%)、「安心した」(43・0%)、「薬に関する理解が進んだ」(21・7%)などの声が多く、相談した人の評価は概ね高かった。



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