厚生労働省は28日、後発品197品目の薬価基準収載を告示した。初の後発品収載となった緑内障・高眼圧症治療薬「ラタノプロスト」(先発品:キサラタン点眼液=ファイザー)には、最多の22社22品目が参入した。初収載の後発品のうち、「ラタノプロスト」と抗癌剤「ゲムシタビン塩酸塩」(先発品:ジェムザール=日本イーライリリー)は、先発品が今年度薬価改定で「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の適用を受けているが、薬価は加算を適用する前の算定値の7割となっており、従来の後発品薬価算定と変わらなかった。
安定供給などの指導徹底
収載の対象となったのは、2月9日までに薬事承認された医薬品。収載希望は249品目だったが、販売体制の整備や安定供給に不安があったことなどを理由に、45品目が希望を取り下げた。また、局方名収載等により7品目が告示不要となり、68社の79成分133規格197品目が収載された。
内訳は、内用薬が53成分78規格112品目、注射薬が19成分38規格44品目、外用薬が10成分17規格41品目。
このうち初めて収載された新規後発品は、5成分12規格37品目だった。内訳は、内用薬が1成分2規格2品目、注射薬が2成分6規格10品目、外用薬が2成分4規格25品目。
医療安全等の観点から名称変更した代替新規37品目を含め、品目数が多かった企業は22品目の沢井製薬。東和薬品(13品目)、ニプロファーマ(9品目)、マイラン製薬(9品目)、共和薬品工業(8品目)、長生堂製薬(8品目)と続いた。
後発品の収載数が最も多かったのは、新規後発品のラタノプロストで22社22品目、次いでベシル酸アムロジピン6社12品目となっている。
また、同一規格で20品目を超えたため、既収載品の最低価格に0・9を乗じて算定する対象になったのは、抗血小板薬のサルポグレラート塩酸塩(先発品:アンプラーグ錠=田辺三菱製薬)の1成分2規格4品目だった。
今回の収載品目数は、昨年5月の318品目と比較すると、100品目以上少ない。医政局経済課は、「11月収載の状況を見て判断した方が、より的確な分析ができると思う」と断った上で、年2回になった後発品収載が定着し、企業が収載スケジュールを合わせられるようになったことなどを挙げた。
厚労省は、同日付で後発品の安定供給を求める通知を日本製薬団体連合会などに発出した。医療施設からの注文時に、医薬品卸に在庫がない緊急の場合でも、平日は2~3日以内(遠隔地は4日)で、土日を挟んだ場合は2~5日(遠隔地は5~6日)で届けるよう指導。医療機関や薬局から、守られていないなどの苦情を受けた場合は、改善指導を行うとしている。
そのため、特に収載数が多かった品目を扱う企業は注意が必要になる。