協和発酵キリンは、カナダの「バイオベールラボラトリーズ・インターナショナルSRL」(BLS)に対し、パーキンソン病治療剤「KW‐6002」(一般名:イストラデフィリン)の米国・カナダにおける商業化権利を導出した。これまで導出交渉の不調が続いていたイストラデフィリンだが、導出先が決まったことで、海外展開に向け一歩前進した格好だ。
今回の契約により、協和発酵キリンは、BLSから1000万ドルの契約一時金、最大2000万ドルの開発マイルストン、最大3500万ドルの販売マイルストンを受け取る。さらに、販売額に応じた最大30%のロイヤリティを受け取る権利を取得した。
イストラデフィリンは、旧協和発酵が開発したアデノシンA2A受容体拮抗剤。協和発酵キリンが米国展開を目指し、他社との導出交渉を行ってきたが、交渉の不調が続いていた。また、2008年2月には米FDAから「承認不可」通知を受領。こうした中、中枢神経領域のスペシャリティファーマであるBLSに導出が決まったことで、イストラデフィリンの米国展開に弾みがつきそうだ。
BLSは、早期にFDAとイストラデフィリンの開発に関する協議を開始する予定。一方、国内では第III相試験を実施中。