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【医療・薬事専門学校】日本医歯薬専門学校

2010年06月21日 (月)

「2段階デュアルシステム」採用‐2回目は内定先企業で実習

 日本医歯薬専門学校(東京都杉並区)では、ドラッグストアでの現場実習と授業をリンクさせた独自の教育システムを通し、現場力のある登録販売者の育成に力を注いでいる。現場実習と並行して、授業では季節に則した一般用医薬品のセールスポイントなどを講義。座学で学んだ知識がすぐに現場で生かせるため、より確実に知識と技術が習得できる。また実習に際しては、各自が毎月、目標を設定している。目標は、ドラッグストア店長など実習指導者にも周知される。双方が目標を共有することで、円滑なステップアップが可能になる教育システムがとられている。

 同校では働きながら授業の単位を取得できる、デュアルシステムを導入している。ドラッグストアでの実習には給与が支払われるため、学費の負担軽減にもつながるなどメリットは大きい。

デュアルシステム実習風景

デュアルシステム実習風景

 現場実習は、1年生時の7月から翌年の6月までの1年間。合計960時間就業することで、登録販売者試験の受験資格もクリアできる。実習中は、月・火曜日が学校での授業で、残り3日間が実習となる。

 ドラッグストアでは、季節に合わせ商品のボリューム陳列を行う。例えば、冬の時期には「かぜ薬・解熱鎮痛薬」を目立つように陳列し、消費者を引きつける。同校では、このボリューム陳列を意識して授業を構成。ボリューム陳列の対象となる商品について、事前に学習した上で、現場での実習に生かす教育システムがとられている。座学と実習を組み合わせることで、知識を確実に習得できるようにというのが狙いだ。

 また、「一般用医薬品学」の授業では、商品についてのレポート提出が取り入れられている。所定の用紙に、商品名や製造・販売元、用法・用量といった情報を書き込む仕組みになっているが、面白いのは、「お客様へのアドバイス方法」欄が設けられていること。登録販売者学科の高玉直樹氏は、「薬をどうやってお客様に勧めればよいのかが重要。将来の現場力につながる」と説明する。

 レポート作成期間は1週間。次の週の授業で提出する。販売方法はその間の現場実習で、経験を通じて考える。記入後は店長など実習指導者に内容を確認してもらうため、現場の社員から貴重なアドバイスをもらえることも期待できる。返却されたレポートをまとめて保管しておけば、最終的には1冊の参考書になる。就職後にも非常に役立つ仕組みだ。

 登録販売者学科2年生の大江知子さんはレポートを、「とても役立つ」と評価する。レポートと同じ医薬品について、顧客から質問された経験もあるという。座学で得た知識と経験をリンクさせることで、より質の高い教育が実現されている。

 同校ではさらに、実習期間中は毎月、学生に目標を設定させている。月末には、目標が達成できたかを自己評価した上で、今後の課題を考える。レポート同様に所定の用紙があり、必要事項を記入後、実習指導者に提出してコメントをもらう。重要なのは、提出する際に実習指導者と面談すること。ほかの学校では見られない珍しい取り組みだ。月間目標は実習指導者にも事前に知らされるので、的確な指導を可能にする効果もある。

 現場実習終了後は、登録販売者試験に向けての対策を本格化する。「試験には、全員が合格することが前提」と高玉氏。そのための支援体制は万全だ。

 登録販売者試験は、問題が1~5章に分かれているが、夏休み期間は各章ごとにたっぷりと時間を割いて講習会を行う。模試にも力を入れており、6月からは毎週、各都道府県の過去問題を中心とした試験を実施。各学生の苦手分野を洗い出し、徹底的に弱点を克服していく。第1回から昨年度までの過去3回は全員が無事に合格し、晴れて登録販売者となった。

 資格という面でいえば、「POP検定」を取得させることも同校の特徴。現場実習前に、全員が受験する。高玉氏は、「実習先店舗は、最初にポップを書かせることが多い。必ず役立つ」という。実際に、大江さんも「ポップが書けると実習先でも頼りにされる。モチベーションも上がる」と話す。

 来年度からは、デュアルシステムを2段階にして、現場実習の回数を増やす方針だ。2回目の実習は、登録販売者資格を取得後、在学中に登録販売者の有資格者として、内定先企業で行う予定。今後は、さらに高度な現場力を身につけた人材を輩出することになりそうだ。

日本医歯薬専門学校
http://www.ishiyaku.ac.jp/gakka/hanbai1/index.html



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