日医工は、スイスの商社「DKSHインターナショナル」と業務提携し、東南アジアでジェネリック医薬品(GE薬)の販売を本格的に開始する。当面は、タイ・マレーシア・香港のプライベート病院市場に特化し、DKSHの流通・販売ネットワークを通じて、日本発のブランドGE薬を展開していく。2010~11年に現地で承認申請を行い、12~13年にかけて市場投入する予定だ。ターゲットとなる東南アジア3カ国のプライベート病院市場は、約1500億円と見られているが、7日に都内で記者会見した田村友一社長は、「市場規模約1500億円の1%程度の売上高を見込んでいきたい」との方針を明らかにした。
同社は、中期経営計画「ハニカム2012」で海外進出を掲げ、自社製造のGE薬を東南アジアに導出する方針を示していたが、今回、タイ・マレーシア・香港の流通・販売・マーケティングで豊富な実績を持ち、これまで医薬品原料の輸入で取引関係にあったDKSHを提携先に選んだ。
今後、DKSHの現地法人と契約を締結し、タイ・マレーシア・香港のプライベート病院市場をターゲットにGE薬を販売する。日本発の高品質GE薬を全面に打ち出すことで、富裕層向けにアピールし、東南アジアでの市場拡大を狙う。
10年には、マレーシアで13品目、香港で7品目、11年にはタイで12品目の承認申請を行い、12~13年にかけて東南アジア3カ国で32品目のGE薬を市場投入。海外進出を本格的に開始する予定だ。田村氏は「DKSHは、タイ・マレーシア・香港それぞれの市場で高いシェアを持っており、強力なパートナーを得た」と海外進出に意欲を示した。東南アジアのプライベート病院市場は、タイ600億円、マレーシア600億円、香港240億円の規模とされており、田村氏は「約1500億円の1%程度の売上高を見込んでいきたい」と目標を語った。
合弁会社、11年以降に新製品
一方、6月8日に発足した合弁会社「日医工サノフィ・アベンティス」は、9月に長期収載品の睡眠障害改善剤「アモバン」を発売する。初年度に約3億円の売上を目指し、11年度以降は、抗アレルギー剤、抗血小板剤など循環器官用薬を投入していく方針を明らかにした。また、サノフィ製品の特許切れ前にGE薬を導入するオーソライズド・ジェネリックにも取り組むとし、「抗アレルギー剤、抗血栓剤がテーマになる」との見方を示した。