ゼリア新薬は7日、医薬品やサプリメントに使用されるコンドロイチン原料の専業メーカーである、デンマークのバイオファック・エスビアウ(Biofac Esbjerg A/S、以下バイオファック)の85%の株式を取得し、子会社化すると発表した。ゼリアは、米国の子会社(ZERIA USA)から、バイオファックのコンドロイチン原料を購入し、OTC医薬品部門の主力であるコンドロイチン製品群に加工して販売している。買収により原料の安定調達を実現し、コンドロイチン製品群のさらなる充実と、海外販路の拡大も視野に入れる。
バイオファックは、独自開発の製造技術によって、高品質なコンドロイチン原料を製造しており、米国をはじめ世界に供給している。売上高は約20億円。ゼリアグループにとっても、同社は原料の重要な調達先となっている。
ゼリアでは、連結売上高(2009年度507億4500万円)の約6割を医療用医薬品事業、約4割をOTC医薬品を含むコンシューマーヘルスケア事業で占めており、両事業を“車の両輪”と位置づける。このうち、コンシューマーヘルスケア事業では、関節炎・腰痛治療剤「コンドロイチンZS錠」をはじめとするコンドロイチン製品群が、同成分配合の関節痛内服薬市場で約6割を占めるトップブランドに成長している。
コンドロイチン群の売上高は、09年度で約73億円と順調な伸びを見せ、10年度は90億円を計画し、早期の100億円達成を目指している。同社では今回の買収を機に、「医薬品メーカーとしてのゼリア新薬と、コンドロイチン専業のバルクメーカーとしてのバイオファックとのシナジーを高め、新たなコンドロイチン事業に挑戦していく」という。