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【三菱樹脂】「甘草」を人工栽培‐グリーンイノベーションとの共同研究スタート

2010年10月04日 (月)
三菱樹脂・荻原部長

三菱樹脂・荻原部長

 三菱樹脂と薬用植物関連事業を手がけるベンチャー企業「グリーンイノベーション」は、薬用植物「甘草」の人工栽培に関する共同研究開発をスタートした。研究期間は今月から2年間。漢方薬の約7割で使われる甘草について、国内で人工栽培に着手し、効率的で安心・安全な栽培技術の確立を目指す。

 甘草は、漢方薬をはじめ、食品、健康食品、化粧品など幅広い用途で用いられ、ほぼ100%を海外から輸入している。しかし、最大生産国の中国で、甘草の採取制限が行われているほか、欧米での需要の高まりを背景に、世界的に需給が逼迫している。農薬汚染や生産履歴の不備など、輸入品に対する懸念もあり、甘草の安定供給が大きな課題となっている。

 こうした中、三菱樹脂とグリーンイノベーションは、2年間で約1億2000万円を出資し、三菱樹脂の子会社「MKVドリーム」の守谷生産センター(茨城県つくばみらい市)で、甘草の開発・販売に関する共同研究を行う。MKVドリームの栽培技術や農業資材の開発力と、グリーンイノベーションの薬草事業における知見や人的ネットワーク、種子の調達力を組み合わせることで、甘草の人工栽培技術の確立を目指す。

 三菱樹脂農業資材部部長の荻原勝年氏は、都内で開いた記者会見で、「通常、甘草の野生品を栽培するには3~4年の期間を要するが、人工栽培なら1~2年で開発できる」と語った。既に種苗段階では、甘草の成分であるグリチルリチンの含量が、日本薬局方の規格値を満たしていることを確認。今後、その種苗を圃場で育成した場合に、一定の品質を維持できるか検証する。2年の研究期間を経て、漢方薬や食品、健康食品、化粧品など、全ての分野で事業化を検討する計画だ。

 さらに荻原氏は、「甘草のほか、朝鮮人参の人工栽培も検討したい」と述べ、将来的に薬用植物事業を拡大する方針を示した。

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