エーザイと信州大学発ベンチャー企業「アネロファーマ・サイエンス」は、新規抗癌剤「APS001」に関するオプション契約と、ビフィズス菌を用いたデリバリー技術の活用による新規抗癌剤候補の探索に関する契約を締結した。
契約により、エーザイは、アネロファーマから、APS001の米国第I相試験の結果に対する優先評価権、開発品のライセンスに係る優先交渉権を獲得する一方、アネロファーマにその対価を支払う。
また、両社は、ビフィズス菌を用いたデリバリー技術を活用し、新規抗癌剤候補の探索を共同で実施する。エーザイは、共同研究費用を負担し、共同研究成果に基づいて、事業化に必要な独占的ライセンスに係る優先交渉権を獲得する。
APS001は、シトシン・デアミナーゼ(CD)酵素遺伝子を組み込んだビフィズス菌。静脈内に投与し、低酸素状態にある癌細胞選択的に生着・増殖させ、CDを発現。抗真菌剤「5‐フルオロシトシン」(5‐FC)と併用し、癌細胞に移行した5‐FCがCDによって、抗癌剤の「5‐FU」に変換されることで、抗腫瘍作用を発揮する。
アネロファーマは、2011年にAPS001のIND申請を行い、同年後半にも米国第I相試験を開始する予定。