調剤薬局チェーン大手のクオール、ドラッグストア大手のグローウェルホールディングス、医薬品卸大手のメディパルホールディングスの共同出資会社「ジーエムキュー」(GMQ、東京新宿区)は、横浜市内に新業態薬局の1号店をオープンした。薬局名は「M&M(エムエム)薬局青葉台店」。GMQの佐藤賢治社長は「40代以上の中高年層を中心に、調剤から健康相談まで、生活者の健康に関するあらゆるステージで貢献できる“健康発信薬局”を目指す」としている。同社では、今期中にはもう1店舗、来期(11年度)は3店舗を出店していきたい考え。
3社は、調剤薬局とドラッグストアの融合による新業態薬局の出店、薬剤師教育の共有化など、各社の持つ経営資源を有効に活用することを目的に、1月に業務提携。5月には共同出資による店舗開発・運営会社GMQを設立した。出資比率はクオールとグローウェルHDが各40%、メディパルHDが20%。
GMQでは、企業理念として「for your smile and future(お客様一人ひとりの笑顔と未来のために)」を掲げ、超高齢社会の中で薬物治療だけでなく、病気の予防や健康の維持・増進といった幅広いステージで、地域生活者にトータルヘルスケア提案のできる“調剤薬局型ドラッグストア”の展開を目指している。
東急田園都市線の青葉台駅近くに開設したM&M薬局青葉台店は、▽イオンストリーマを設置し、店舗の空気はいつも清潔・安心▽環境に配慮したLED照明を採用▽いつでも気軽に相談しやすい相談コーナーを設置▽商品の見つけやすさや取り出しやすさにこだわった商品棚▽フロア床材は足腰の悪い人も疲れにくく、雨の日でも滑りにくい床材を使用▽分かりやすい薬袋・POP・商品チラシを使用し、白内障など眼の障害を持った人の見やすさにも配慮‐‐などが特徴。
クオールの調剤薬局が持つ高い専門性とノウハウ、グローウェルHDグループの物販・接客ノウハウが取り入れられた。営業時間は午前9時から午後9時までで、スタッフは薬剤師4人、登録販売者2人、ビューティアドバイザー2人のほか、販売サポート要員を有する。第1類~第3類医薬品、サプリメント、化粧品のほか、食品類も充実させており、40代以上をメインターゲットとすることから、各種測定機器、介護関連商品なども取り揃えた。
1日のオープニングには、佐藤社長をはじめ、中村敬クオール副社長、高田隆右グローウェルHD社長、長福恭弘メディパルHD取締役が出席し、同薬局に対する期待を語った。
佐藤氏は「1号店は、調剤薬局がドラッグ機能を持ったら、どういう店ができるかを発想の原点に置き、店舗設計してきた。店内には自己測定機器も設置し、中高年の健康意識を高めることにもつなげたい。ようやくスタートラインに立ったわけで、まずは最低でも10店舗ぐらいまで展開していきたい。出店は基本的に首都圏中心とは思うが、新業態のイメージにマッチするエリアを考えている。処方せんは面で応需するので予想できないが、周辺エリアは1日2000枚ぐらい動いており、1年目では1日80~100枚ほどが目標」とした。
また、中村氏は「品揃えは一般的なドラッグストアに近いかと思うが、相談カウンターを充実させ、薬剤師等が常駐することで、薬や健康に関する悩みや相談など、より専門性が高い対応が可能になる。第1類医薬品も、安心感を持ってもらった上で、積極的に勧めていきたい」
高田氏は「今までありそうでなかった、新しいものを始めるのが業務提携の目的。まさしく実験店であり、利益面も未知数だが、できるだけ早期に次世代に対応できる店舗を作れればと思う」と述べた。