医薬基盤研究所は15日、日本初の次世代ワクチン開発に向け、アジュバント(免疫増強剤)開発促進のための、産学官共同研究プラットホーム組織として、「次世代アジュバント研究会」が発足したと発表した。
研究会には、産学官のアジュバント関連分野の研究に取り組む研究機関と、医薬品・ワクチンメーカー、バイオベンチャーなど、企業16社の研究者が参加する。開発研究、審査行政の最新動向に関する情報交換などを通して、高い安全性と有効性を兼ね備える次世代のアジュバント開発研究を推進し、感染症予防ワクチン、治療用ワクチンなど、幅広い応用分野につなげる。14日に設立会議が行われ、会長には基盤研の山西弘一理事長が就いた。
このほか、事業内容としては、▽アジュバントを活用した感染症予防ワクチン、治療用ワクチン(癌、アレルギーも視野に入れる)の研究開発▽アジュバントの安全性評価研究(作用機序解明のための基礎免疫学、ワクチノミクス、ワクチノームなどのデータベース構築も含む)▽その他、アジュバントを活用した研究プロジェクトの企画調整--などを行う。
研究会幹事の各氏と、参加企業は次の通り
▽研究会幹事=山西弘一、審良静男(大阪大学免疫学フロンティア研究センター拠点長)、中西憲司(兵庫医科大学学長)、清野宏(東京大学医科学研究所教授)、瀬谷司(北海道大学大学院医学研究科教授)、石井健(基盤研アジュバント開発プロジェクトリーダー)
▽製薬企業=アステラス製薬、大塚製薬、塩野義製薬、第一三共、大日本住友製薬、武田薬品工業、田辺三菱製薬、中外製薬、グラクソ・スミスクライン、サノフィ・アベンティス、ファイザー
▽ワクチンメーカー=北里研究所、阪大微生物病研究会
▽バイオベンチャー=MBR、ジーンデザイン、セルメディシン