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【大洋薬品工業・島田誠社長】売上高10%増は「謙虚にありがたい」‐ジェネリック抗癌剤を10品目ラインナップへ

2010年11月10日 (水)
島田社長

島田社長

 大洋薬品工業の島田誠社長は5日、名古屋市内で開いた決算説明会で、高山工場が行政処分を受けて、中間決算は大幅な減益に落ち込んだものの、売上高は伸長したことについて、「(メーカーとしての)攻めの展開をできなかったが、それでも10%増は、謙虚にありがたいと思う」と話した。その上で、品質保証体制の強化を最重点とすると共に、ジェネリック抗癌剤などスペシャリティー品目に取り組んでいく方針を示した。

 同社では不祥事を受けて、社内に再発防止委員会を設置した。島田氏はその現状について、「行政処分を形骸化してはいけないという意識で取り組んでいる。委員会では、GMP、GQP等の法令遵守や、企業風土・体質に問題があったことが明らかになってきており、全面的に改めていきたい」との考えを述べた。

 また、不祥事の原因の一つともされる約850品目の製造販売品目の見直しについても、「現在、行政やステークホルダーとの話し合いを進めている」とした。最終的な削減品目数については協議中で、今後、外部有識者委員会などで結論を確認し、「来月の早い段階で結論を出し、来年3月中までに薬価削除ルールの中で進めていく」ことにしている。島田氏は、製造販売品目の見直しを「再発防止における大きな区切り」と位置づけたが、その一方で、「再発防止における組織改善などの取り組みは、ゴールなき戦い」だと強調した。

 今後については、「後発品は新薬と違ってマーケティングプランニングとリサーチが必要。特許が切れて供給するという考えから、今後はGE抗癌剤などの開発に向け、市場リサーチを踏まえた製品戦略スタイルを作り上げていきたい」とした。既にその一環として、新薬メーカー経験者などの専門部隊(7人)を採用して、学術企画部を設置。高度医療機関、地域中核の340強の癌拠点病院にニーズの調査を行い、市場の声を製品企画に反映させる取り組みもスタートさせた。現在、13年5月の追補収載に向け、GE抗癌剤10品目ほどがラインナップされている。

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