厚生労働省の医薬食品局総務課長、安全対策課長は、慢性心不全に対してビソプロロールフマル酸塩(田辺三菱製薬のメインテート錠)を、適応外で使用する際の留意事項を示した連名通知を12日付で発出。同日付で保険適用を開始した。
ビソプロロールフマル酸塩は、慢性心不全が禁忌となっているが、病状によっては有効なことが分かってきており、同剤の適応拡大について、公知申請の事前評価を行った10月29日の薬事食品衛生審議会医薬品第1部会で、一部の慢性心不全に対する効能追加の妥当性を認めた。しかし、疾病禁忌の取り扱いを整理する必要があるため、即日の保険適用がなされなかった。
同剤の適応外使用の対象は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている虚血性心疾患または拡張型心筋症に基づく慢性心不全患者。
通知では、用法・用量について、開始時に1回0・625mgを1日1回経口投与とし、その後、忍容性を確認しながらの段階的な増量方法を設定。2週間以上経口投与して忍容性がある場合には、4週間以上の間隔で忍容性をみながら段階的に増量し、忍容性がない場合は減量する。また、用量の増減は必ず段階的に行い、1回投与量は、0・625、1・25、2・5、3・75、5mgのいずれかとし、1日1回経口投与とする。
注意事項として、▽慢性心不全治療の経験が十分にある医師のもとでの使用▽入院下での投与の開始、増量の推奨――を挙げた。