三菱ケミカルホールディングスは8日、2011年から15年までの5カ年中期経営計画「APTSIS(アプトシス)15」を発表した。新中計で医療用医薬品などのヘルスケア分野は、既存品のライフサイクルマネジメント(LCM)や海外承認取得品目を拡大し、個別化医療をヘルスケアソリューションに発展させることで、15年度には営業利益1200億円を目指す方針を打ち出した。
「協奏」をコンセプトにした新中計でヘルスケア分野は、「国際創薬企業への展開加速とヘルスケアソリューションの実現」を基本戦略に掲げ、医療用医薬品の成長戦略として、抗リウマチ薬「レミケード」など既存大型製品のLCM、海外承認取得品目の拡大を打ち出した。
国内では「レミケード」の拡販をはじめ、LCMを強化すると共に、11年以降に抗うつ薬「エスシタロプラム」、C型慢性肝炎治療薬「MP‐424」、多発性硬化症治療薬「FTY720」などの新製品を投入し、収益の最大化を目指す。また海外では、米国を重点エリアと位置づけ、特に慢性腎臓病治療薬「MP‐146」、高リン血症治療薬「MCI‐196」の早期上市を目指すと共に、中国市場への製品導入、新薬上市を積極的に進める。
一方、創造戦略としては、個別化医療をさらに発展させ、疾患治療と予防へのヘルスケアソリューション実現を目指す方針を打ち出した。グループ企業の田辺三菱製薬がアンメットメディカルニーズに応える医薬品、三菱化学メディエンスが個別化医療に対応した診断サービスを提供することで、協奏を推進していく。
基幹・中堅事業と位置づけるジェネリック医薬品は、大型品の上市と低コスト生産・販売体制を確立することで、15年度に売上高500億円の達成目標を打ち出した。