厚生労働省が、2010年度上半期の医療費の動向を発表した。医療保険と公費を合わせた概算医療費は18・1兆円で対前年同期比3・9%(稼働日数補正後3・4%)増えた。このうち調剤は、処方せん1枚当たり単価が7900円で0・9%落ち込む一方、処方せん枚数が3億7000万枚で3・9%増加し、医療費は2・9兆円で3・0%(2・2%)増加した。処方せん枚数の伸び率は、09年度平均を2・4ポイント上回り、「引き続き医薬分業が進んでいる」(厚労省保険局調査課長)
医科、歯科分を、1日当たり医療費(単価)と受診延べ日数(患者数)に分解すると、単価は対前年同期比3・8%増加し、特に医科入院は5・4%増と大きく伸びた。患者数は0・1%増にとどまり、医科入院が減少基調から1・1%増に転じたものの、医科入院外と歯科は引き続き前年同期を下回った。
調剤については、4~8月の電算処理分の分析結果も公表された。処方せん1枚当たり平均医療費は7842円で、1・0%減少した。技術料が2089円へと4・4%増加した一方で、薬剤料が5739円へ2・9%減少したためで、技術料比率は26・6%と09年度平均から1・6ポイント上昇した。
内服薬の処方せん1枚当たり薬剤料4844円を3要素に分けると、[1]1枚当たり薬剤種類数が2・86で1・7%増[2]投薬日数が20・0日で0・6%増[3]1種類1日当たり薬剤料が85円で5・4%減――となっており、薬価引き下げの影響が浮き彫りになった。