厚生労働省の「一般用医薬品のリスク区分の検証に関するワーキンググループ(WG)」は4日、74成分の生薬および動植物成分(生薬成分等)について、第2類薬から第3類薬へのリスク区分の変更を検討したが、継続審議となった。薬事・食品衛生審議会安全対策調査会への、4月以降の報告を目指す。
審議の対象となった74成分は、第2類薬リストの生薬245成分の中から、一般用漢方処方の見直しを図るための調査研究班(班長:合田幸広・国立医薬品食品衛生研究所生薬部長)が選定したもの。
原則として第2類薬に分類される生薬成分については、これまでの使用経験などから、安全上問題がないと考えられる生薬は、第3類薬とする考え方を厚労省が示している。
新販売制度の創設時は、リスク区分を「成分単位」で決めており、複数の成分を配合している場合には、各成分の配合量や副作用発現状況に関係なく、最も高い成分のリスク区分がそのまま適用されていた。
今回の見直しでは、第2類薬成分を含む医薬品であっても、食経験の有無、有害成分の有無、毒性の知見の有無などから、身体の変調・不調が起こる恐れがない場合や、一定の懸念があっても、日常生活に支障を来す程度ではないと考えられるものについては、第3類薬に移行する方向だ。
また、1日の服用量が一定量以下であれば、問題がないと考えられるものも、条件つきで第3類薬に移行する方針。
一方、第3類薬に分類されている408生薬成分については、食経験の有無や毒性の知見などを踏まえ、第2類薬への引き上げも視野に、区分の妥当性を検証する。さらに、配合による相乗効果や、副作用の抑制なども考えられるため、「製剤単位」でのリスクについても検討を進める。
WGのメンバーからは、個人差の大きい生薬の服用では、対面販売が原則となっている第2類薬で売られていることで、副作用が起きても、薬剤師や登録販売者が、それを把握することができるため、第3類薬移行への慎重論が出た。
また、情報が限られている中で、生薬の毒性をどこまで評価できるのかといった意見が出た。
候補成分には、ヨモギの葉の「ガイヨウ」、クチナシの実の「サンシン」、ドリンク剤などに含まれる「冬虫夏草」、トウモロコシのひげの「ナンバンゲ」、「八ツ目ウナギ」などがある。