佐藤製薬の佐藤誠一社長は、7日に開いたメディアとの近況報告会で、主力のOTC事業に関して、「新販売制度に対応したスイッチOTC薬、特に第1類の開発に積極的に取り組んでいきたい」と語った。
佐藤氏は、OTC事業に関する中間期業績について、「現時点では、若干の増収となる見込み」と報告。薬効別では、かぜ薬が前期に比べ約20%増、鼻炎薬も約30%増で推移しているとした。
OTC事業では、スイッチOTC薬の第1類医薬品として、一昨年11月に口唇ヘルペス再発治療薬「アラセナS」、昨年3月には医療用成分トロキシピドを初めて配合した胃腸薬「イノセアバランス」を発売したほか、市場ニーズに対応した第2類・第3類医薬品の積極的な上市を続けている。最近では、昨年12月に発売した第1類のスイッチOTC点鼻薬「ナザールAR」が、花粉シーズンも迎えて好調に推移している。
今年1月末には、医療用で最も処方されているとされる膣カンジダ再発治療薬「エンペシドL」、日本で初めて持続性血管収縮剤を配合した点鼻薬「ナシビンMスプレー」の承認も取得。これら2製品については、「今春の上市を予定」しているほか、現在申請中の第1類薬を含め、第一類薬市場の活性化を図る方針だ。
また、佐藤社長は「改正薬事法施行に伴う新販売制度の円滑な運用と定着には、新たな領域のOTC薬の開発と、生活者が制度を一層理解し、実践していく環境整備が重要だ」とし、これまで以上に、薬局・薬店が身近な健康相談窓口としての信頼を高め、薬剤師と医師とが互いの専門性を生かして連携していくことが重要になると訴え、「メーカー(業界)として、これらへの継続的なサポートに努めていきたい」と話した。