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【厚労省】09年薬事工業統計‐国内生産3%増の6.8兆円

2011年02月14日 (月)

輸入二桁増、輸出は微増

 厚生労働省は2009年の薬事工業生産動態統計年報を発表した。一昨年に国内生産した医薬品最終製品は、6兆8196億円で前年から3・0%増加した。輸入は14・4%増の2兆1265億円で、国内生産と輸入の合計額の96%を占める8兆6107億円が、国内向けに出荷された。商社を通じた取引などを除いた輸出は、1628億円で0・1%増にとどまった。

 国内生産の状況を用途別に見ると、医療用は対前年比3・0増の6兆1742億円で、薬価改定のない年としては、伸び率がやや低かった。従来の減少基調から前年に増加へ転じた一般用は、6166億円で3・0%増加した。配置用家庭薬は288億円で0・4%減少したが、下げ幅は例年に比べて小さかった。

 薬効分類別では、血圧降下剤など「循環器用薬」が1兆4190億円で、前年から1・3%減少したが、依然として全体の2割と最も大きい。次いで、解熱鎮痛消炎剤などの「中枢神経系用薬」、糖尿病用薬などの「その他の代謝性医薬品」、消化性潰瘍用剤などの「消化器官用薬」がそれぞれ約1割を占める。

 中枢神経系用薬は12・8%増の7001億円、その他の代謝性医薬品は4・4%増の6772億円、消化器官用薬は5・2%増の6129億円で、いずれも伸びた。

 そのほか、血液・体液用薬が4332億円、外皮用薬が3672億円、生物学的製剤が2848億円、抗生物質製剤が2768億円、アレルギー用薬が2394億円などとなっている。腫瘍用薬は1390億円で14・9%増加した。

 剤形別に見ると、全体の過半となる錠剤が3兆5691億円で5・2%増加し、カプセル剤が8・3%増の4249億円、散剤・顆粒剤等が3・5%増の3809億円となった。注射剤は6・0%減の3935億円、粉末注射剤は7・6%減の2174億円、軟膏・クリーム剤は2・9%減の1358億円だった。

 都道府県別の生産額は、トップが埼玉の6825億円で、富山5736億円、静岡5575億円、大阪5054億円、栃木3540億円と続く。前年からの増加額が最も大きかったのは富山の569億円、逆に減少額の最大は東京の258億円となっている。

 製造所数は、前年から2カ所減って1818カ所となった。このうち従業員50人未満の事業所は1351カ所で74・3%を占めるが、月平均生産額は3269億円で全体の6・6%にとどまる。従業員50人以上300人未満は、事業所数が全体の22・8%の415カ所で、生産額が59・3%の2兆9344億円。従業員300人以上の事業所は51カ所で全体の2・9%だが、生産額は1兆6897億円で34・2%に達する。

 また、1カ月間の生産規模が1億円以上の製造所は335カ所で、全体の18・4%だが、生産額では4兆8066億円で97・1%にのぼる。

 輸出入の状況を見ると、輸出は北アメリカ向けが921億円で56・6%を占め、アジア向けは504億円で30・9%、欧州向けは146億円で9・0%となっている。アフリカ向けは7億円と少ないが、4年前と比べると2倍に拡大し、北アメリカ向けが46・3%増、アジア向けが22・7%増となったものの、欧州向けは25・0%減少した。輸入は欧州からが6316億円で76・7%を占め、北アメリカからが4070億円で19・1%、アジアからが711億円で3・3%となっている。

画像診断システムなど生産落ち込む

 医療機器の生産額は前年から6・9%減少し、1兆5762億円となった。最も生産規模の大きい処置用機器が前年比20・1%増の3293億円となったものの、画像診断システムが19・4%減の2973億円となったほか、生体機能補助・代行機器が5・1%減の2069億円、生体現象計測・監視システムが20・8%減の1758億円、医用検体検査機器が12・2%減の1102億円など、減少が目立つ。

 地域別の生産額は静岡1956億円、栃木1584億円、東京1323億円の順で多い。

 製造所数は1487カ所で、このうち1カ月間の生産額が1億円以上の製造所は161カ所で、全体の10・9%だが、生産額は1兆2879億円で89・4%を占める。

 輸出入では、輸入が前年から1・4%減ったものの、依然として1兆0750億円と大きく、規模としては生体機能補助・代行機器が最も多い。輸出は15・0%減の4752億円で、画像診断システムが多い。

 また、医薬部外品の生産額は8228億円で、前年から1・7%増加した。薬効別では薬用化粧品2889億円、毛髪用剤1607億円、ビタミン含有保健剤1161億円、薬用歯磨剤832億円、殺虫剤496億円となっている。地域別では関東越静地域の3720億円、近畿地域の2134億円で、全体の7割を占める。

 このほか、衛生材料の生産額は539億円で、前年から0・6%減少した。地域別では関東越静地域が291億円で過半を占め、次に多い四国地域の185億円と合わせると、全体の9割近くになる。

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