第一三共は2月28日、2011年度から国内の大学研究者等を対象に、創薬共同研究の公募「TaNeDS」(タネデス)を行うと発表した。募集期間は6月1~30日まで。予算規模は最大で約2億円程度を予定し、研究テーマ1件当たり年額5000万円を上限に資金提供を行う。同社は、国内から様々なアイデアを募ることでオープンイノベーションを推進し、自社創薬研究の活性化につなげる。
タネデスでは、アイデアを含めた萌芽研究から大型プロジェクト研究、実用研究まで、様々な研究段階のテーマを募集。採用された研究テーマを実用化に結びつけるため、知的財産の買収や共同・委託研究、さらにベンチャー設立の検討など、幅広い出口戦略を用意した。
今回、募集するのは、癌領域、循環代謝領域、先端医薬、抗体・核酸医薬、製薬技術プラットフォームの5研究テーマ。アイデアを含めた萌芽的研究の「個別テーマ型」、創薬シーズの発展が期待できる大型の「プロジェクト型」、実用化につながる「シーズ育成型」の三つのプランを選択できる。
個別テーマ型では、第一三共の研究者と連携した1年間の予備的共同研究により、創薬シーズとしての可能性を検討し、有望とされたテーマは本格的な共同研究に移行する。予算は研究テーマ1件当たり年額300~1000万円。採用件数は最大10件が目安。
プロジェクト型では、創薬シーズの育成や発展が期待できる大型の研究テーマを募集。第一三共の研究者もプロジェクトに参画し、2年間の共同研究を実施する。研究テーマ1件当たり年額5000万円まで、最大3件。
また、シーズ育成型は、実用化につながる知的財産や独自ノウハウを持つ研究テーマを募集し、知財の強化を目指した本格的な共同研究、ベンチャー起業の可能性を検討。起業可能性が高いと判断された場合、ベンチャー設立まで支援する可能性もある。研究テーマ1件当たり年額800万円まで。最大2件。
今後、6月1日から30日まで、国内の大学や公的研究機関に所属する研究者を対象に募集を行う。ただし、応募研究を国内で実施することが条件。応募締め切り後、二段階の選考を経て、10月1日以降に共同研究を開始する予定。
募集要項など詳細は、TaNeDSのホームページ(http://www.daiichisankyo.co.jp/rd/taneds/index.html)に掲載されている。