沢井製薬は1日、キョーリン製薬ホールディングス(以下キョーリン)に対する経営統合提案について、キョーリン側から2月末までに賛同を得られなかったとして、「交渉継続は有益なものとはならない」と判断し、経営統合を断念したことを明らかにした。
沢井製薬は、昨年夏までにキョーリン株式の4・8%を取得し、経営統合を打診。昨年末にはキョーリンに対して、新薬事業とジェネリック薬事業を融合することで、革新的なビジネスモデルとなる「ハイブリッド型製薬企業」を提案していた。
しかし、2月末日を期限としていた経営統合に関する提案に対し、キョーリンは拒否回答し、その後、沢井製薬が提案に賛同しない理由説明を求めたことに対しても、開示しないという立場をとっていた。
沢井製薬は、キョーリン取締役会が賛同しなかった適切な理由を開示していないことに対して、「大変遺憾」としながらも、今後は「引き続きキョーリンの株主として、キョーリンの新中期経営計画に基づく株主価値向上策の推移を見守りたい」とコメントしている。
沢井製薬はキョーリンの第4位の株主。現時点では「キョーリン株の買い増しやTOB等は考えていない」(同社)としている。