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【バイエル薬品・グート社長】2~3年内に売上高2000億円以上へ‐「リバロキサバン」に期待

2011年04月15日 (金)
グート氏

グート氏

 バイエル薬品社長のセバスチャン・グート氏は14日、大阪市内で開いた記者会見で、「今後2~3年以内に2000億円以上の売上高(薬価ベース)を達成したい」と話した。2010年12月期の売上高は1814億円。11年3月に国内で承認申請した経口抗凝固薬「リバロキサバン」(海外商品名:ザレルト)、11年第3四半期に国内申請予定の滲出型加齢黄斑変性症治療薬「VEGFトラップ・アイ」(一般名:アフリバセプト)など、大型品の上市を見込むほか、07以降に新発売した戦略製品群の成長も期待できると語った。

 グート氏は、将来に向けて「ポートフォリオの若返りを図りたい」と述べた。売上高に占める、ジェネリック医薬品のない新薬比率が、08年は22%、09年は30%、10年は39%と高まってきた。この比率を近い将来、60%にまで高め、「2000億円以上の売上高を目指したい」と強調した。

 構想実現を担う期待の新薬の一つが「リバロキサバン」。全世界のピーク時売上高として20億ユーロ(約2424億円)を見込む大型品だ。世界では既に、待機的膝関節・股関節置換術を受けた成人患者の静脈血栓塞栓症予防の適応で、100カ国以上で販売されている。患者層が異なる国内では未発売だったが、3月末に国内でも、心房細動患者の脳卒中予防を適応として承認申請を行った。

 高齢者でも服用しやすい大きさの錠剤で、1日1回の服用で済むほか、▽心血管系イベントを増加させない▽定期的な凝固モニタリングや用量調整が不要‐‐など、様々なメリットがある。

 もう一つの期待の開発品が「VEGFトラップ・アイ」。全世界のピーク時売上高として2億5000万~5億ユーロ(約303~606億円)を見込んでいる。滲出型加齢黄斑変性症は失明につながり、アンメットメディカルニーズが高い。他剤に比べ、眼球に注射する回数を減らし、同等の有効性を維持できる可能性があるという。

 グート氏は、これらの2製品は「大きな市場規模が望めるだけでなく、(既存薬との)大きな違いを日本の患者さんにもたらすことができるため、重要視している」と語った。

 一方、07年以降に国内で新発売した戦略製品の10年12月期売上高(薬価ベース)は、高脂血症治療剤「ゼチーア」が約204億円(前年同期比37・8%増)、経口抗癌剤「ネクサバール」が約145億円(47・7%増)、MRI用肝臓造影剤「EOB・プリモビスト」が約32億円(19・9%増)、高リン血症治療剤「ホスレノール」が約136億円(123・8%増)と伸びた。

 「戦略製品の売り上げがまだピークに達していない。将来的にさらに伸びる」とグート氏。10年11月に新発売した月経困難症治療薬「ヤーズ配合錠」の成長にも強い期待を示した。

 10年12月期の売上高は前年同期比3%増。国内市場全体の伸び(0・2%増)を上回り、製薬企業トップ20社中4位の成長率となったことに、グート氏は「満足している」と語った。

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