日本薬剤師会がまとめた「保険調剤の動向2010年9~12月分(全保険)」によると、12月の分業率は65・4%で、初めて全国平均で65%を突破した。都道府県別では、秋田県が4カ月連続80%台を維持。40%未満は福井県を残すのみとなった。山本信夫副会長は、「伸びの鈍化がさらに顕著になりつつあるが、全体としては底上げが進んでいる」との見方を示した。
処方せん受取率、いわゆる分業率は9月が前年同月より1ポイント増の61・6%、10月が2ポイント増の63・1%、11月が2・9ポイント増の64・3%、12月が2・6ポイント増の65・4%だった。
処方箋枚数は、9月が5680万3769枚(前年同月比101・6%)、10月6142万5252枚(97・8%)、11月6325万3585枚(108・3%)、12月6451万869枚(103・9%)だった。
調剤金額は、9月4575億5576円(100・8%)、10月4817億5300円(97・8%)、11月4905億9881円(106・8%)、12月5235億5959円(102・9%)となっている。
全体の傾向を見ると、10月に調剤件数、金額、処方箋枚数のいずれもが前年同月を下回っているものの、11月には例年より大きく反発して上昇した。山本信夫副会長は、「三つ揃ってマイナスは、久しぶりのことだ。例年と比べ、インフルエンザの流行時期がずれたことなども関係しているかもしれないが、数字的には大きな変化はない。全体の傾向としては、伸びの鈍化がさらに顕著になりつつある」と分析した。
都道府県別では、10年4月に初めて分業率80%台を達成して、その後いったん落ち込んでいた秋田県で、9~12月は4カ月連続80%を超えた。12月には70%以上が14県、40%未満が福井県のみになった。山本氏は、「(4カ月続いたことで)秋田県の80%という数字も、案外信じられる数字となってきた。70%台の県が14県で、40%未満が1県ということも、全体として底上げが進んでいる」と評価した。