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【田辺三菱製薬】品質試験の不実施問題で総括報告書‐再発防止へ管理システム

2011年04月28日 (木)
会見する子林氏(左)、永繁氏

会見する子林氏(左)、永繁氏

 田辺三菱製薬は27日、製造子会社の田辺三菱製薬工場が足利工場で注射剤の一部品質試験を実施していなかった問題で、厚生労働省に「品質管理問題にかかわる総括報告書」を提出したと発表した。報告書は、今回の問題に対する是正、措置ならびに再発防止策、信頼回復に向けた全社的な取り組みをまとめたもの。大阪市内で記者会見した子林孝司取締役執行役員経営企画部長は、「品質試験を行わなかったのは、担当者の資質によるところが大きいが、長期にわたって放置してしまったのは組織的問題で、今後は再発防止に向けてあらゆる面で組織的対応を取っていきたい」と強調した。

 同社は、品質管理問題の表面化を受け、1月26日付けで社外有識者による危機管理委員会を設置。原因究明と再発防止策の検討を重ねてきた。今回の問題が生じた背景として、「同じ担当者が品質試験をずっと行い、交代要員がいなかった要因が大きい」と分析。再発防止に向け、試験者の不正が働きにくいシステム「LIMS」(試験記録の管理システム)の導入を進めていることを明らかにした。

 問題発覚後、緊急対応として1月下旬からグループ全製造所における製品の品質総点検を実施。大阪工場、足利工場、鹿島工場など全製造工場で製造されている350品目、1万0870ロットについて、一次・二次点検した結果、いずれの工場も試験の不実施が疑われる品目、試験項目はなかったという。

 また関係者の処分では、担当社員を4月21日付で懲戒解雇とし、土屋裕弘社長をはじめ、役員報酬を4月~6月までの3カ月間、1~3割自主返上する。

 一方、28日に大阪市内で記者会見した危機管理委員会委員長の郷原信郎弁護士は、「今回の問題は、製薬企業として一般的な品質管理業務の中で発生した事象であり、特殊な製剤の製造にかかわる試験データを差し替えたメドウェイ問題とは性格を異にする」と指摘。「決められた試験をしないのは弁解の余地はない」とした上で、「今回行われなかった重金属やひ素の試験は、既に製造段階でチェックしており、出荷時の検査で検出される可能性は極めて少ない。作業員のモチベーション向上においても、効率的で実態に即した試験ルールをもう一度見直す必要がある」との考えを示した。

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