参天製薬は10日、2013年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画を発表した。「世界で存在感のあるスペシャリティー・カンパニー」の実現を目指し、グローバル戦略品の開発パイプライン強化や、米国を基点とするグローバルな臨床開発体制構築などに取り組む。
13年度の数値目標として売上高1210億円以上、営業利益310億円以上、純利益200億円以上を目指す。研究開発費は155億円程度を見込む。
10年度の売上高は1108億円、営業利益は307億円、純利益は213億円。10年度の実績に比べ、売上高は9・2%増以上を目指すが、利益面は研究開発や事業開発に積極的に投資するため、10年度と同水準以上をメドとする。特に、米国での臨床開発体制の強化や事業開発に、重点的に投資する計画。
こうした投資を通じて、海外売上高比率を、現在の15%から引き上げる。20年までにグローバル眼科薬市場で3位以内に入ることを目指しており、20年の時点で海外売上高比率を40~50%にしたい考え。今後の3年間はその実現に向けてのステップになる。
海外では、製造・販売拠点を持つ欧州や中国での営業基盤の拡充を進めるほか、他のアジアエリアでの事業化の可能性を検討する。現在提携先を通じて販売している米国での自販体制構築については、今回の中計には明記していない。
医療用眼科薬市場で4割弱の高いシェアを持つ国内では引き続き、緑内障、角膜疾患領域での主力製品や新製品の価値最大化を進める。