厚生労働省は20日付で、医療用医薬品の一部変更承認を行った。承認された医薬品は、関連学会から「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬」に基づく開発要望を受け、公知申請された適応外薬が中心。承認を受け各メーカーでは、変更内容などについて周知していく。一変変更が認められた主な医薬品は次の通り。
◇エブトール錠/エサンブトール錠=科研製薬/サンド
エタンブトール製剤「エブトール125mg錠、同250mg錠」「エサンブトール錠125mg、同250mg」(一般名:エタンブトール塩酸塩)について、「非結核性抗酸菌症」の効能・効果、用法・用量の追加承認を取得した。通常成人に対し、エタンブトール塩酸塩として0・5~0・75gを1日1回経口投与する。
◇ワソラン錠、同静注=エーザイ
カルシウム拮抗性不整脈治療剤「ワソラン錠40mg、同静注5mg」(一般名:ベラパミル塩酸塩)について、上室性の頻脈性不整脈に対する小児適応の追加承認を取得した。ワソラン錠40mgについては、小児に対し、ベラパミル塩酸塩として1日3~6mg/kgを、1日3回に分けて経口投与する。一方、同静注5mgについては、小児に対し、ベラパミル塩酸塩として1回0・1~0・2mg/kgを、必要に応じて生理食塩水またはブドウ糖注射液で希釈し、5分以上かけて徐々に静脈内に注射する。
◇ジャヌビア錠/グラクティブ錠=MSD/小野薬品
経口2型糖尿病治療剤「ジャヌビア錠25mg、同50mg、同100mg」「グラクティブ錠25mg、同50mg、同100mg」(一般名:シタグリプチンリン酸塩水和物)について、αグルコシダーゼ阻害剤との併用療法に関する効能追加承認を取得した。
◇抗D人免疫グロブリン筋注用1000倍「ベネシス」/抗Dグロブリン筋注用1000倍「ニチヤク」=ベネシス/日本製薬
乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン『抗D人免疫グロブリン筋注用1000倍「ベネシス」』『抗Dグロブリン筋注用1000倍「ニチヤク」』について、「妊娠28週前後および、流産後や人工妊娠中絶後のD(Rho)因子による感作リスクのある場合」の効能・効果追加承認を取得した。
◇メインテート錠=田辺三菱製薬
選択的β1アンタゴニスト「メインテート錠2・5、同5」(一般名:ビソプロロールフマル酸塩)について、「虚血性心疾患または拡張型心筋症に基づく慢性心不全」の効能・効果追加承認を取得した。また、慢性心不全治療用の専用剤形として「メインテート錠0・625」を剤形追加し、6月5日から国内で発売開始する。
◇リファジンカプセル/リファンピシンカプセル=第一三共/サンド
抗菌薬「リファジンカプセル150mg」、リファンピシンカプセル150mg「サンド」(一般名:リファンピシン)について、「マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症」の効能・効果、用法・用量追加承認を取得した。
◇ノバスタンHI注/スロンノンHI注=田辺三菱製薬/第一三共
選択的抗トロンビン剤「ノバスタンHI注10mg/2mL」「スロンノンHI注10mg/2mL」(一般名:アルガトロバン水和物)について、「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型患者における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止」「発症リスクのあるHITII型における経皮的冠インターベンション施行時の血液の凝固防止」の効能・効果追加承認を取得した。
◇リュープリン注=武田薬品
前立腺癌・子宮内膜症治療剤「リュープリン注射用1・88、同3・75」(一般名:リュープロレリン酢酸塩)について、中枢性思春期早発症に対する最大投与量が、90μg/kg/4週から、180μg/kg/4週に変更となった。
◇ソル・メドロール静注用=ファイザー
副腎皮質ホルモン剤「ソル・メドロール静注用40mg、125mg、500mg、1000mg」(一般名:メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム)について、「ネフローゼ症候群」の効能・効果、用法・用量の追加承認を取得した。
成人に対し、メチルプレドニゾロンとして1日500~1000mg、小児に対し1日30mg/kgを緩除に静注または点滴静注する。