厚生労働省は24日、後発品330品目を薬価基準に収載した。代替新規を含めた最多は共和薬品工業の25品目で、大洋薬品工業22品目、日医工21品目、東和薬品19品目、ニプロファーマ18品目が続いた。新規市場では、武田薬品の2型糖尿病治療剤「アクトス」の塩酸ピオグリタゾンに18社50品目、田辺三菱製薬の脳保護剤「ラジカット」のエダラボンに22社35品目が参入。ともに特許係争中で、医療現場への影響を懸念した同省経済課は、訴訟結果にかかわらず安定供給する約束を、初めて書面で関係企業から取り付けた。
厚労省は、東日本大震災への対応を優先して告示時期を通常より1カ月遅らせた。収載したのは、内服薬が64成分98規格192品目、注射薬が35成分68規格114品目、外用薬が8成分16規格24品目。医療安全等の観点から名称変更した代替新規を除くと、合計296品目を収載した。品目数は前回2010年11月の水準を下回ったが、前々回よりは多く、経済課は「概ねこれまで通り」と見ている。
ただ、今回は収載希望の取下げが80品目と、例年になく多かった。最も影響したのは、新規成分の特許に絡んだ引き揚げなどが50品目以上に上ったこと。大震災の影響で準備が間に合わなかったものは、10品目程度にとどまった。
新規後発品は、▽ピオグリタゾン▽エダラボン▽骨粗鬆症治療薬のリセドロン酸ナトリウム(先発品:味の素製薬のアクトネル、武田薬品工業のベネット)▽C型慢性肝炎治療薬のリバビリン(MSDのレベトール)――の4成分7規格87品目。ピオグリタゾンはOD錠を高田製薬、小林化工、第一三共エスファ、東和薬品、日医工、日新薬品、富士フイルムファーマの7社が出した。リバビリンとエダラボンは先発品に新薬創出等加算が付いている。
同規格が20品目を超えて、薬価が既存品の最低薬価の9割となったのは、▽潰瘍治療薬のラベプラゾール(エーザイのパリエット)▽2型糖尿病治療薬のグリメピリド(サノフィ・アベンティスのアマリール)――の2成分4規格4品目だった。
既収載成分で参入が多かったのは、X線造影剤のイオヘキソールと、眼科用剤のヒアルロン酸ナトリウムで、ともに5社の13品目を収載した。
薬価収載品の総数は、1万6594品目となった。