今年2月から自主回収が始まった去痰剤のセラペプターゼに続き、類薬の消炎酵素製剤の▽セミアルカリプロティナーゼ▽ブロメライン▽ブロメライン・結晶トリプシン配合剤――の3成分で、メーカーが承認整理の意向を示していることが分かった。同様に類薬の▽塩酸リゾチーム▽プロナーゼ――の2成分は、有効性・安全性の確認試験を行う方向だ。
厚生労働省は5成分について、各メーカーの対応方針を、29日の薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会に示した。部会は再評価指定について審議したが、確認試験を行う2成分のプロトコールに注文が付くなど、いずれも継続審議となった。
消炎酵素製剤は粘液溶解剤などに比べて効き目がマイルドで、セラペプターゼの場合、先発品「ダーゼン」の有効性を武田薬品工業が二重盲検比較試験で自主的に評価したところ、プラセボ群と有意差が認められなかった。そのため、今年1月に同部会の議題に上がり、部会の指示に基づいてプロトコールを見直し、再試験する道を探ったが、メーカーは試験困難と判断。市場からの撤退を決めた。
一方、リゾチームとプロナーゼは、ヒトによる二重盲検試験など、厳密な評価が最近行われておらず、今後、リゾチームで4種類、ブロメラインで3種類の確認試験を予定している。
ブロメラインとブロメライン・結晶トリプシン配合剤については、製造販売元の持田製薬が、ダーゼンの回収より前に、自主的に承認を取り下げる方針を決めていたという。