ラクオリア創薬は20日、大阪証券取引所ジャスダック市場グロースに上場し、2011年~13年12月期までの中期経営計画を公表した。中計では、探索研究から初期開発、導出まで一体化して進めるビジネスモデルを確立し、独創性の高い創薬を推進する方針を打ち出した。プロジェクトの導出で確実に収益を上げることで、13年12月期には、最大で事業収益を34億6700万円まで引き上げ、営業損失は最大1億8300万円、純損失は同1億8400万円まで圧縮する計画だ。
ラクオリアは、2008年7月に旧ファイザー中央研究所の社員70人で発足した研究開発型ベンチャー。「疼痛」と「消化管疾患」領域に焦点を当てた研究開発活動を進めている。これまで、同社が創製したEP4拮抗薬について、丸石製薬と疼痛治療薬としての製品化に向けた導出契約を締結したほか、韓国のCJ第一製糖とアシッドポンプ拮抗薬に関する独占的ライセンス契約を締結。米デュラータ社にMRSA感染症治療薬「ダルババンシン」の国内権利を譲渡した。
さらに、米イーライリリーと、特定のイオンチャネルを標的とする新規鎮痛薬の創製で、共同研究を開始すると共に、両社で創製した化合物のライセンスについて、全世界を対象としたオプション契約を締結したほか、「Meiji Seika ファルマ」に第2世代統合失調症治療薬「ジプラシドン」の、国内独占開発・販売権を供与するなど、導出活動を活発化させてきた。
上場を受けて公表した中計では、こうした独創性の高い創薬を進め、導出によって確実に収益を上げる目標を打ち出した。13年12月期には、事業収益を10年12月期の11億8600万円から、最大で34億6700万円にまで引き上げる。また、営業損失は、10年12月期の13億4500万円から最大1億8300万円まで、純損失は同13億0700万円から最大で1億8400万円まで圧縮する計画。人員については現行の85人体制を維持しながら、効率的な組織体制を構築する。