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【厚労省専門家会議】先進医療に2技術追加

2011年09月15日 (木)

 厚生労働省の専門家会議は13日、新たな先進医療として▽多血小板血漿(PRP)を用いた難治性皮膚潰瘍治療▽不可逆的小腸不全に対する生体ドナーからの小腸部分移植――を了承した。

 難治性皮膚潰瘍治療は、一般的な創部管理に抵抗性を示す皮膚潰瘍で、植皮を含めた外科的治療を拒否する患者や、全身状態が悪く手術不適応の患者が対象。自己血から調製したPRPを患部に塗布することで、生理的な組織修復速度を安全に加速さる技術で、これまでの細胞治療を補完する。早期社会復帰を可能にする効果が期待される。

 形成外科・皮膚科・外科を有する医療機関で実施する。当初案では、臨床工学技士と臨床検査技師の1人以上配置を求めることになっていたが、薬剤部が関与することも考えられるため、正式決定までに医療従事者の配置要件を詰める。

 保険給付されない先進医療の費用は、典型症例の一連で11万2000円。

 小腸移植は、他臓器の移植に比べて拒絶反応や感染症の可能性が高く、症例数が少なかったが、2000年以降は免疫抑制療法や術後管理の進歩に伴って成績が向上し、症例数も増えている。国内では10年10月までに18例に20回(うち11回は生体)の移植が行われ、現在14例が生存している。

 先進医療として生体ドナーからの部分移植を実施するには、移植関係学会合同委員会で、脳死小腸移植を実施するものとして選定され、2症例以上の実績があることなどが条件になる。

 先進医療の費用は、典型症例の1回で99万8000円。

BMD併用療法、PTX腹腔内投与を保険併用へ

 また、適応外薬を用いる高度医療となっている、▽原発性ALアミロイドーシスに対するボルテゾミブ・メルファラン併用療法(申請機関:社会保険京都病院)▽腹膜播種を伴う胃癌に対するパクリタキセル腹腔内投与併用療法(東京大学病院)――に保険診療との併用を認めることを決めた。

 ボルテゾミブ・メルファラン療法は、骨髄の形質細胞が癌化して、過剰生産されたアミロイドが蓄積し、臓器機能が悪化する「原発性ALアミロイドーシス」に対し、ボルテゾミブとメルファランを適応外でデキサメタゾンに併用する。海外文献では血液学的寛解が最大94%と報告されており、現時点で第一選択とされるメルファランとデキサメタゾンの併用の約67%より高い。ボルテゾミブはメーカーが無償提供し、高度医療費用は典型症例で11万4000円。

 パクリタキセル療法は、腹膜播種を伴う初発胃癌に対し、S‐1とパクリタキセル静注の併用に、適応外の経路である腹腔内投与でパクリタキセルを上乗せする。既に第I、II相試験を実施して、安全性と有効性が確認されている。パクリタキセルはメーカーが無償提供し、高度医療費用は典型症例で10万円。

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