エレクトロニックライブラリー(EL)は21日、「2011年キーワードランキング」を発表した。同社のホームページで毎週発表しているELウイークリートレンドをもとに作成したもので、トップ15入りしたキーワードをもとに、今年1年を振り返った。トレンド指数ランキングの第1位は、当然ながら東日本大震災で、2位とは大きな開きがあった。ELは今年を「巨大地震と原発事故により、日本人の価値観が大きく変わった1年」と総括している。
今年のトレンド指数ランキングは次の通り。
[1]東日本大震災[2]リビア[3]エジプト[4]ビンラーディン・ウサマ[5]浜岡原子力発電所[6]クライストチャーチ(ニュージーランド)[7]入試問題[8]なでしこジャパン[9]国民投票(ギリシャ)[10]鳥インフルエンザ[11]損失隠し[12]野田佳彦[13]玄海原子力発電所[14]高速鉄道(中国)[15]洪水(タイ)
トレンド指数1位のキーワードは、3月11日に発生した「東日本大震災」。巨大地震と大津波による甚大な被害にとどまらず、福島第一原子力発電所が深刻な原子力事故を起こし、多くの周辺住民が避難を余儀なくされ、様々な風評被害も発生した。原発の安全性が大きな議論となり、静岡県の「浜岡原発」は全ての原子炉を停止、「玄海原発」では再稼働をめぐり“やらせメール”等の問題も起きた。
保健医療の関係では、口蹄疫が終息したばかりの宮崎県で、1月に「鳥インフルエンザ」が発生。相次ぐ家畜感染症に、畜産農家からは悲痛な叫びが聞こえた。
こうした中で明るいニュースは、「なでしこジャパン」のサッカー女子ワールドカップ優勝である。震災で大きな痛手を受けた日本人に、勇気と希望をもたらした。
海外での出来事が15件のうち7件を占めたことも、今年の特徴といえる。「リビア」「エジプト」の長期独裁政権が崩壊、国際テロ組織アルカイダの最高指導者「ビンラーディン」の殺害では、全世界に衝撃が走った。ギリシャの首相が突然に宣言した「国民投票」は金融市場を混乱に陥れ、アジアでは脱線転落した中国の「高速鉄道」、タイの「洪水」が注目された。さらに、東日本大震災の前に大きな話題となっていたのが、強い地震により多数の日本人犠牲者を出したニュージーランドの「クライストチャーチ」であった。
国内ではこのほか、携帯電話によるカンニングが発覚した「入試問題」、バブル崩壊で発生した有価証券の含み損を解消するためオリンパスが損失計上を先送りした「損失隠し」も明るみに出た。