旭化成は、米救命救急医療機器大手「ゾール・メディカル」を総額約22億1000万ドル(約1839億円)で買収すると発表した。今月中に買付けを開始し、最短で4月中には買収手続きを終える予定。医療関連分野を中核事業に位置づける旭化成は、ゾールを買収することで、既存の医薬・医療機器事業に続く医療関連分野の新たな柱として、救命救急医療(クリティカルケア)領域を強化し、グローバル展開に乗り出す。
旭化成は、泌尿器・骨・血液疾患などの医薬事業、血液浄化・バイオプロセス関連の医療機器事業の既存領域に加え、将来成長が見込まれるクリティカルケア領域への参入機会を模索していた。
こうした中、昨年8月には、救命救急医療機器大手のゾールと事業提携し、ゾールが開発したAED「ZOLL AEDPlus」の国内販売をスタートさせた。その後、クリティカルケア領域の強化を目指し、両社で提携拡大に向けた協議を進める中、旭化成は欧米で強力な事業基盤を持つゾールを自社グループに取り込むのが最適と判断。買収に踏み切った。