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意義大きい一般向け啓発イベント

2013年10月04日 (金)

 今月17日から1週間、厚生労働省、都道府県、日本薬剤師会、都道府県薬剤師会の主催、薬業関連団体等の後援による「薬と健康の週間」が全国で展開される。医薬品を正しく使用することの大切さ、そのために薬剤師が果たす役割の大切さを1人でも多くの人に知ってもらうため、ポスター等を用いて積極的な啓発活動等が、今年も行われる。

 この薬と健康の週間は、1949年に「全国薬学週間」が開催されたことに遡る。当初は主催者や開催時期が異なっており、その後行事の円滑な実施の観点から、日本薬剤師会より毎年同一時期の開催が申し入れられ、78年からは「薬祖神祭の日」である10月17日からの1週間を実施期間としたという。

 医薬品の適正使用や、薬剤師等の専門家の役割について正しい知識を普及させるイベントは、同週間の前後だけでなく、地域の行事等に合わせて数々行われている。先月14~15日にかけて、東京新宿駅西口広場で展開された「よく知って、正しく使おうOTC医薬品」と題したイベントもその一つ。日本OTC医薬品協会と在京薬業団体が毎年、セルフメディケーションの重要性も含めて、一般消費者への普及啓発を行っている。

 地域の薬剤師会が地元行政と共同して行う「薬と健康の週間」中の啓発イベントも、最近では充実した内容での開催が目立つ。薬剤師による「お薬相談コーナー」は言うまでもなく、薬に関する各種情報をパネル等で掲示したり、ミニ講演会の開催。さらには薬剤師・保健師・栄養士に気軽に相談しながら、各種の機器も用いての健康チェックといった参加・体験型のコーナーは、今では欠かせない存在となっている。

 今年3月に、日本チェーンドラッグストア協会が開催した「JAPANドラッグストアショー」も、セルフメディケーション啓発を目的としたイベントの一つで、13回目を迎えた今年、過去最高の来場者で賑わった。ここで注目したいのは、一般来場者へのアンケート調査で、6割を超える人が同ショーに来場して「ドラッグストアへの印象が変わった」と回答していることだ。業界を挙げ、趣向を凝らした情報発信に努めた成果と言えるだろう。

 この手のイベントは、無料で景品類が配布されるのを目当てに訪れる人が多い。集客のため致し方ないとはいえ、もらう物をもらうと、行事はそこそこに会場を出る姿も珍しくない。一方で、熱心に服用薬や健康の相談をする人など、来場者は両極端ではある。イベントの趣旨からすれば、いかに後者の理解を高めるかに尽きる。

 一般薬の販売方法が多様化する流れの中で、使用方法や使用量、さらには保存状態など、医薬品の取り扱いで留意すべき事項は数多い。今後開催されるイベントが、ぜひ「店頭の重要性」を認識してもらうことにつながってほしいと願うばかりだ。



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