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【薬局業務の効率化と質的向上をめざして】垂水誠貫堂薬局(パナソニック ヘルスケア)

2014年07月30日 (水)

電子化で服薬指導や在宅患者訪問指導を充実

 垂水誠貫堂薬局(神戸市垂水区城が山)は、瀬戸内海沿いの古い町に立地する。城が山地域は、垂水区の中でも最も高齢化率が高く、同薬局では通院介助を伴った患者の姿や在宅訪問件数がきわめて多い。同薬局では、今年1月1日の薬局移転を契機に、パナソニックヘルスケアの保険薬局用電子薬歴システム「Pharnes(ファーネス)III‐MX」を導入し、服薬指導や在宅患者訪問指導の充実を図っている。

山本氏

山本氏

 垂水誠貫堂薬局は、1997年に製薬会社のMRだった山本智史氏(管理薬剤師)が、「地域に根ざした薬局」を理念に開設した。薬剤師は、山本氏を含めて2人(もう1人は非常勤薬剤師)。1日の処方箋枚数は40枚程度で、内科の処方箋は約68%を占める。

 同薬局は、今年1月1日、元の薬局前の新しい店舗に移転した。新店舗は、一見漢方薬局風の落ち着いたたたずまいを見せ、土足で入れるオール温水床暖房を大きな特徴としている。「冬場にエアコンを入れれば、空気がより乾燥するため患者さんに良くないので、オール温水床暖房にした」とその狙いを説明する山本氏。実際、冬場になると裸足になった子供の「暖かそうな笑顔」で癒やされるという。

垂水誠貫堂薬局(下は患者さんにも好評の待合室)

垂水誠貫堂薬局(下は患者さんにも好評の待合室)

 店内はゆったりとした空間が広がり、一般の患者と、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症患者を分けるため二つの待合室が設置されている。まさに、「患者さんに優しい」をコンセプトとする新店舗にふさわしい空間となっている。「ファーネスIII‐MX」の導入も、新店舗への移転がきっかけとなった。「高齢化比率の高まるエリアにおいて、在宅医療のさらなる充実を実現するための薬局業務の効率化」(山本氏)がその狙いだ。

 電子薬歴とレセコンが一つになっている「ファーネスIII‐MX」は、「フルHD画面による薬歴一覧表示」や「データベース活用による薬歴入力」など、これまでのファーネスシリーズを一層便利に使いやすく進化させた優れものソフトだ。

フルHDで薬歴を一覧表示

 フルHD画面による薬歴一覧表示は、今回と過去4回分の処方比較を一目で簡単に把握することで、スムーズな処方監査や薬歴作成を可能にした。加えて、過去薬歴を比較して変更された箇所は、色分け表示されるので、処方内容の変更確認も容易にできる。

 山本氏は、「過去に服用した薬剤が瞬時に分かれば、処方が変わってその薬剤に副作用等の不安を持っている患者さんに対し、『以前飲まれていたものなので、大丈夫ですよ』などのアドバイスもできる」と同機能の利便性を付け加える。

 長期投薬患者の来客予測チェック機能についても、「4週間後以上の来局予定患者の一覧と処方が出るので、医薬品の在庫や調剤点数などの統計情報も確認できる」と絶賛する。

 また、予め登録した定型文の入力を可能とするテンプレート薬歴記入サポートや、監査情報などから指導確認すべき内容をプランニングメモ欄に転記できる機能により、「薬歴作成時間が短縮されると共に、効率の良い服薬指導ができるようになった」と話す。

 最新の医薬品情報によるチェック機能も見逃せない。併用禁忌の薬剤の表示が瞬時に出るため、相互作用のチェックが容易にできる。重複チェックでは、配合剤の成分や同効薬の重複にも対応し、より的確な重複チェックを可能にした。

 さらに、薬剤ごとに重大な副作用と、その初期症状を確認できるデータベースを標準で搭載。新薬のメンテナンスも早く、処方監査や服薬指導の強力なツールとなっている。

処方箋スキャンにより効率化も
最新の電子薬歴システムが薬局業務を支援

最新の電子薬歴システムが薬局業務を支援

 山本氏は、受付業務と調剤業務をスムーズにするファーネスIII‐MXの「処方箋スキャン」機能にも言及する。同機能は、処方箋をスキャンして画像として取り込み、患者登録画面や処方入力画面に表示させるもので、「受付での処方箋入力業務と調剤室での調剤作業が同時にできるようになった」と満面の笑顔をみせる。

 薬歴のペーパーレス化により、「薬歴を探す手間がなくなり、薬歴スペースを考える必要がなくなった」こともファーネスIII‐MX導入の大きなメリットだ。

 このほか「ファーネスIII‐MX」には、残薬を確認して処方する薬の量を調節できる「服薬状況確認書」機能、ドクターのみならずケアマネにも対応できる「訪問薬剤管理指導報告書」機能、後発医薬品調剤率集計機能、薬剤使用量予測機能などが搭載され、様々な機能で薬局業務の効率化をサポートしている。

 また、全国47都道府県の国保総括表・国保請求や、居宅サービスの介護保険への対応も可能だ。もちろん、法令改正などで様式変更があった場合の速やかな対応は言うまでもない。

 山本氏は、「患者さんの高齢化が進む中、城が山地域の在宅のニーズは年々増えてきている」と指摘する。同薬局では、通常、お昼の時間に在宅訪問を行っているが、「夏場は特に熱中症で脱水などを起こして薬局に来れなくなる患者が多い」という。薬局内には、クリーンベンチも装備しており、経腸栄養剤の調整など高まる在宅ニーズへの対応に抜かりがない。山本氏は、「高齢化が著しく進む城が山地域において、在宅をはじめとする地域のニーズに対応するには、ファーネスIII‐MX導入による薬局業務の質と効率化は避けて通れなかった」と断言する。

垂水誠貫堂薬局(パナソニック ヘルスケア)
http://panasonic.biz/healthcare/medicom/



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