塩野義製薬はアラガン・ジャパンと共同販売するまつ毛貧毛症治療薬「グラッシュビスタ外用液剤」(一般名:ビマトプロスト)を20日に発売する。製造販売元のアラガン・ジャパンは9月26日に上市している。
同剤はプロスタグランジンF2誘導体で、緑内障・高眼圧症治療薬として開発する過程で、まつ毛の成長が有害事象として報告されたのをキッカケにまつ毛貧毛症治療薬の開発が始まった。
塩野義とアラガンが15日に開いた記者発表会で、塩野義の羽田幸代製品戦略部長は、これまで個人輸入による使用によって健康被害が発生していることを踏まえ、保険適用外医薬品ではあるものの、適正使用を徹底するために情報伝達・提供に注力する考えを示した。
また、アラガン・ジャパンの蘆田秀珠メディカルアドバイザーは国内で実施したプラセボ対照臨床試験の結果を示し、加齢などの特発性や、化学療法による貧毛症例のいずれも、画像数値化付き総合的まつ毛評価スケールが約80%で改善したと説明。有害事象は軽度のもので、発現頻度はプラセボ群と大きな違いがみられなかったという。
さらに、適正使用のために患者用アプリ「まつげトライ」を提供するほか、生産工程から医療機関までの流通過程での品質管理を徹底していることを紹介した。