大木製薬は、二酸化塩素による空間除菌製品「ウイルオフ」シリーズから、一般向け(家庭用)としては業界初となる、電動ファンの力で二酸化塩素を拡散させる置き型タイプの「ウイルオフ・ファン」など3製品を今秋に発売したが、全国のドラッグストア、薬局・薬店、家電量販等の販売店に好評で、特に置き型のファンは10月出荷分が全て予約受注完了となり、その後も問い合わせが増えている状況という。同社では増産体制に注力しているほか、先月末からはタレントのうつみ宮土理を起用した「ウイルオフ」のTVCM放映開始など、交通広告も含めたメディア展開にも着手。「1社(クレベリン)独占といっていい置き型市場に向けて期待される商品」(松井秀正社長)とし、今後読者プレゼントやサンプリング等も通じて、さらなる認知度アップに努めていく考えだ。
二酸化塩素を活用した除菌製品がここ数年、市場で注目を集める中、今年3月には広告やウェブ表示に関する“表現面”で消費者庁から措置命令を受ける問題が発生し、一部流通上での混乱も見られた。主要メーカーが参画する一般社団法人日本二酸化塩素工業会では、この問題を厳粛に受け止め、エビデンスの整備などに関する自主運用基準の設定や広告表示の自主基準を作成し、健全な市場育成に動き出している。
大木製薬では、フリーラジカルを持つ二酸化塩素が細菌・真菌・ウイルスを構成する蛋白質を酸化修飾させることによって、ウイルスや細菌の構造を変化させ、その機能を低下させる仕組みを利用した「ウイルオフ」二酸化塩素除菌シリーズを、一昨年秋から展開してきた。今回の新製品3アイテムは、数年前から研究開発に取り組み、同社の技術を集約させて誕生した。
リビングやオフィス等の使用に適した「ウイルオフ・ファン」、小型で持ち運びも楽にできる「ウイルオフ・ファンパーソナル」、手のひらサイズでポケットなどにも挟めるクリップ付きの「ウイルオフ・ナノ」のいずれも、より短時間での拡散と濃度の安定化を目的に工夫や改良を加え、同社従来品に比べて拡散効率が大幅に向上している。
電動ファン搭載の「ウイルオフ・ファン」「同パーソナル」は、独自開発の“トルネードファン”を使用し、同社従来品に比べ拡散効率を300%向上させた。トルネードファンに使用するモーターは、二酸化塩素の耐久性に優れていること、空気より比重の重い二酸化塩素ガスを拡散させるために小さくてもハイパワーであること、省エネ設計、静音性──という四つの条件を満たしている。
また「ウイルオフ・ナノ」は、拡散性の向上と共に安定拡散を最優先し、カートリッジの設計、材質や資材に改良を加え、従来の同社携帯型商品に比べ拡散効率200%向上を実現した。
税別希望小売価格は、「ウイルオフ・ファン」(使用範囲は約25m3・約6畳、間欠作動式で使用開始後の有効期間目安は約30日)が2500円(使用する単3アルカリ電池4本は別)、「ウイルオフ・ファンパーソナル」(約1m3、連続動作で1日4時間稼働で約60日)が1800円(単4アルカリ電池2本は別)、「ウイルオフ・ナノ」(約1m3、ファンなしで約60日)が1200円。なお、電動ファン付きの2品は、別売の交換カートリッジ(1000円)もある。
これらはいずれも屋内専用で、屋外や空気の流れが激しい場所では効果が期待できず、利用環境によって成分の広がりや使用期間も異なる。さらに、全てのウイルス・菌に対して効果があるわけではない。同社では、二酸化塩素ガスや製品試験結果などの情報を、ウイルオフブランドサイト(http://www.viruoff.com/)を通じて発信するなど、適切な使用を促す情報提供にも力を入れている。