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CLケアの重要性、薬系も啓発を

2015年7月17日 (金)

 眼に関連した四つの学会(日本眼感染症学会、日本眼炎症学会、日本コンタクトレンズ学会、日本涙道・涙液学会)が連合しての「フォーサム2015」が先週末、大阪で開かれた。このうちコンタクトレンズ(CL)をめぐる話題では、レンズ素材や治療用レンズに関する最新動向やCL装用時の感染症の問題が注目を集めた。

 レンズ素材とレンズ設計の進化により、近年は遠近両用ソフトCLや乱視用ソフトCLの性能が飛躍的に向上している。さらに最近ではカラーCLが若年層を中心に広がりを見せており、特に10代から20代の若い女性にとっては、今ではカラーCLは“おしゃれ”の必需品となっている。こうした背景から、日本におけるソフトCL装用者は1200~1300万人ともされている。

 一方で、問題といえるのが若者を中心とした眼障害の発生である。カラーCLを含めたソフトCL装用者の8割強は、日々のケアにマルチパーパスソリューション(MPS)を使用しているとされる。MPSはこすり洗い、すすぎ、消毒、保存のステップが必要となるが、1本のボトルで済むなど簡便さが大きな特徴。しかし、多くの装用者で正しくケアが行われていないのも現状で、これによる眼のトラブルが臨床現場では増加傾向という。

 このほか、特にカラーCLはその独自の流通形態から、眼科医の診察を受けずに購入することが可能であるため、装用者は自身の屈折に合っていないカラーCLを装用しているケースも多いことが推測される。不十分なケア、間違ったケア方法に加え、不具合のあるCLの装用、さらには1日使い捨てなどディスポーザブルCLを長期間使用する人もあるようで、眼障害の要因は実に様々である。装用者の眼の健康を守るという、各学会が共通した使命に基づき、今回のフォーサムでも多くの眼科医らが熱い討論を繰り広げた。

 一般演題では、CL装用者の約8割が「乾燥感」を持つことも報告されている。健常な眼表面では涙液層が安定した形で維持されるが、CLを装用することで涙液の分泌、涙液交換、涙液分泌に影響を及ぼし、ドライアイ様の症状を発生しやすいからと考えられている。こうした不具合を感じていても、CL装用者の多くが“眼科医の定期検査”を受けておらず、眼のトラブル増加につながっている。

 ある県における中高生のカラーCL使用調査でも、多くが眼科を受診せずに購入し、CL量販店、ネット・通販での購入が多く、重症な合併症が多いことも分かった。発表した臨床医は「医師の処方を経ずにCLが購入できる行政(国)の指導が最も問題で、CL処方箋(指示書)法制化の早急な実施」を強く求めた。ケア用品を扱う薬局・ドラッグストアも、店頭を通じた啓発の重要性を改めて認識する必要があるだろう。




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