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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】えびす堂薬局(東邦薬品)

2015年07月31日 (金)

調剤支援システム活用で薬局マネジメント意識も向上

 埼玉県北部を中心に5店舗を展開するキュアメディカルでは、薬剤師のスキルアップのために薬局内外の研修に力を入れている。研修内容は疾患から保険制度まで幅広く、スタッフがそれぞれ持ち回りで講師を務め、研鑽に励んでいる。また調剤支援システムを活用し、在庫管理や薬局マネジメントに対するスタッフの意識向上も実現させた。

地域密着で生活情報を聞き出す

矢部氏

矢部氏

 キュアメディカルは2003年の会社設立と同時に、本店となる大河堂薬局を開局。以後10年余りの間に、埼玉県北部に4店舗と北海道に1店舗をオープンさせた。

 グループ店の中で最も新しいえびす堂薬局は、14年11月に埼玉県比企郡小川町にオープンした。近隣にある整形外科医院(診療科:整形外科、リハビリ科、リウマチ科、ペインクリニック)からの処方箋がメインで、処方箋枚数は1日平均50~60枚。スタッフは薬剤師2人、事務員3人体制。

 地域密着を基本とする同社では、住民と薬剤師の距離が近く、様々な触れ合いがあるのが特徴だ。薬剤師であり取締役事業部長でもある矢部孝浩氏は、「地域密着のメリットは、患者様との関係性が築きやすいという点にあります。当社は埼玉県北部という限られた地域を中心に展開しているため、地域住民と接するチャンスが多いのです。『薬剤師の〇〇さんだね』など、患者様から顔を覚えてもらって声をかけてもらうことも少なくありません」と話す。

 地域住民と顔の見える関係を築くことで、服薬指導や健康支援にもメリットがある。

 「病気に至る過程には、食生活や仕事などライフスタイルまで含めた様々な要因が絡んできます。顔の見える関係になり信頼が深まることで、生活情報まで踏み込んだ深い話を聞くことができ、健康をトータルでサポートできるようになります」

薬剤師企画の多職種勉強会も

在庫情報が一目で分かり、スタッフ全員がデッドストックを意識

在庫情報が一目で分かり、スタッフ全員がデッドストックを意識

 グループ薬局の中には、産婦人科の患者が多い店舗もあれば、漢方に対応している薬局まで幅広い。また整形外科の処方が多い薬局はえびす堂薬局が初めてであり、継続したスタッフの教育は欠かせない。そこで社内・社外の研修体制を確立するほか、資格取得支援や多職種連携に力を入れて、レベルアップを図っている。

 多職種連携による研修の一例として、グループ内のぱんだ薬局が主導で企画し、医師や看護師も参加して行った勉強会が挙げられる。

 「メーカー主導の勉強会に薬剤師が参加するのではなく、薬剤師からクリニックの医師に企画を持って行き、メーカーを選定して医師や看護師、事務員などと一緒に勉強会を開催しました。企画の意図は、製品説明ではなく疾患が関わる領域全般の知識を深めることです。薬剤師主導で行ったことにより、症例検討のように詳細まで踏み込んだ研修ができ、他職種との連携が深まりました」

 このほか薬局グループ内での自主的な勉強会も定期的に開催している。勉強会では座学からグループディスカッションまで多様なスタイルを取り入れ、スタッフが持ち回りで講師役を務める。矢部氏によると「どのスタイルで講義をすると最も出席者になじみやすいか、その都度考慮して決めています」という。

 テーマは薬のことから疾患、診療報酬や医療制度、薬局マネジメントなど幅広い。何をテーマにするかはスタッフからの要望を受けて決めることもあれば、講師役を引き受ける人が選定する場合もある。

 「勉強会を開くことで、どのスタッフがどのような領域に強いか、また興味があるのかが分かるようになりました。薬の化学的な側面に興味がある人や店舗運営に強い人などそれぞれのカラーが出ます。個々のスタッフの強みを把握することで、業務の中で分からない時に質問しやすくなったり、適材適所で活躍してもらうことができるようになりました」

保険制度にとらわれない役割を

SOAP方式で薬歴作成を支援。ハイリスク薬なども瞬時に検索

SOAP方式で薬歴作成を支援。ハイリスク薬なども瞬時に検索

 システム面では、全店舗で東邦薬品の電子薬歴システム「ENI-Pharma」および在庫の一元管理システム「ENIF本部」を導入している。システムを導入した理由は、東邦薬品が提供するサービスであるという圧倒的な信頼感だ。

 「毎日のように出入りしている卸のシステムであり、仮に不具合があってもすぐに相談できるという安心感が導入の決め手でした」

 導入したメリットについては、「スタッフの意識改革・向上に大きな役割を果たしてくれた」とする。

 「特に在庫のデッドストックに大きな効果がありました。利便性はもちろんのこと、スタッフ一人ひとりの在庫に対する意識づけができたことが大きいです。どこの店舗でどの薬が動いているのか、パソコン画面で一目瞭然なので、管理薬剤師だけでなくヘルプの薬剤師までが、在庫を減らそうという意識を持つようになりました」

 電子薬歴システムも薬歴や服薬指導の精度を上げるのに役立っている。

 「パソコン上で記入欄が誘導されるので、聞き漏れることがなくなり、薬歴の精度が上がりました。また対面で服薬指導をする際に、必要に応じて画面を見せながら説明することができるのもいいですね」

 今後も地域に根ざし、保険制度にとらわれず役割を果たしたい考えだ。

 「処方箋がなくても立ち寄っていただき、気軽に健康相談ができるような薬局作りをしていきたいですね」と矢部氏は抱負を語った。

えびす堂薬局(東邦薬品)
http://www.tohoyk.co.jp/ja/products/enipharma_series/



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