目の前の患者に生じた有害事象が薬の副作用なのかそうでないのかを、添付文書に記載された情報と照らし合わせるだけで判断することから脱却しないか――。10月29、30日に神戸市で開かれた日本くすりと糖尿病学会学術集会のシンポジウム「糖尿病の臨床推論」に登壇した各演者は、臨床現場の薬剤師に対してそんなメッセージを送った。“OPQRST”に沿って患者情報を聴取するなど薬学的臨床推論を活用して患者の状態を把握した上で、症状の背景にある様々な要因のもっともらしさを推察しながら、他の医療者と情報を共有し対応を考えるよう呼びかけた。
川口崇氏(東京薬科大学薬学部医療実務薬学教室)は「患者さんに起きたイベントが添付文書に載っているかどうかを確認し、記載があれば副作用と判断する考え方はやめてほしい」と釘を刺した。
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