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【被験者リクルートメントの現状と課題】一般者への治験啓発に注力‐54万人の登録者が基盤 ヒューマ

2017年3月29日 (水)

被験者リクルートメントを支援する企業

 ヒューマは、ボランティアバンク登録者54万人の基盤から治験の条件に合った健常人・境界領域者・患者を紹介し、この15年間で3000プロトコル・4万症例の紹介実績を積み重ねてきたが、今後力を入れるのが一般者への治験啓発だ。イメージキャラクターにサンリオ社のハローキティを採用し、治験にネガティブなイメージを持つ層に対して、治験の意義を理解してもらうプロジェクトを開始した。製薬企業や医療機関に対しては、治験計画(プロトコル)の適格性に合った被験者を紹介していく一方、日本での治験環境を改善していくために、被験者支援企業として一般者に対する働きかけも強化していく方針だ。

 2002年10月に設立した同社は、03年10月に被験者登録サイトのボランティアバンクを創設し、医薬品では健常人対象の第I相試験やジェネリック医薬品の生物学的同等性試験、患者対象の臨床試験に加え、医療機器治験、境界領域者対象の食品治験と幅広い領域で被験者支援事業を展開している。患者対象の治験で見ると、高血圧や糖尿病、アレルギー症領域の治験で多くの紹介実績を持つ。

 製薬企業が立案したプロトコルが複雑化し、治験の条件に合った被験者を組み入れることが難しくなる中、同社の強みは治験依頼者のプロトコルに対応したスクリプトを作成し、決められた期間に多数の被験者を組み入れるノウハウを保有していることだ。もともと、被験者募集の難易度が高いといわれる境界域者対象の食品治験で豊富な経験があり、医薬品治験でのサポートに生かしていく。

 ボランティアバンク54万人の登録者には徹底した管理を行っており、登録者向けにWEBアンケートから治験依頼者のプロトコルに合った質の高い被験者を選定したり、治験参加意思が強い患者を確認するなどきめ細かな支援を行っている。登録者以外からの被験者発掘では、インターネット上でのWEB広告、治験実施施設近郊や非インターネット層に対してはアナログ広告と様々な手法を組み合わせた被験者リクルート戦略を製薬企業側に提案。その後、治験コールセンターのオペレーターが治験概要から実施エリア、選定除外基準確認などを説明し、電話でのスクリーニングを行っている。

 重点疾患領域としては、アルツハイマー型認知症や癌に焦点を当てる。特にアルツハイマー型認知症は、社会的にも影響が大きい疾患でありながら、上市薬剤は少なく、製薬各社の開発競争が熾烈な領域だ。発症早期の軽度認知障害(MCI)をターゲットとした医薬品開発が進んできているが、自覚症状が乏しく受診率が低いため、各社では被験者を集めることに苦労している。一方、治験実施医療機関では、治験の応募から登録までで被験者を絞り込んでいくスクリーニングでの業務量が増大しているという。

 同社では、医療機関と連携し、MCI未診断のアルツハイマー型認知症を対象とした治験の候補者に対して、臨床心理士や専門医など専門家による認知機能測定会を行い、そこでMCIと診断されれば、治験参加を案内し、施設側の被験者リクルートにかかる業務負担を最大限軽減したい考えだ。

 今後は一般者への治験啓発活動に力を入れる。これまでもティッシュ配布や新聞折り込みなどで治験啓発を行ってきた同社だが、まだまだ日本では「人体実験」「高額バイト」という誤った認識を持つ人も多く存在し、治験を行う環境として十分ではない。そこでイメージキャラクターにサンリオのハローキティを採用し、既に渋谷駅山手線内に広告を展開している。4月からは羽田空港でもPRしていく予定。治験を良く知らない層やネガティブなイメージを持つ層に対して、人気キャラクターとして知られるハローキティを通じて治験を啓発していく入り口戦略に位置づける。

 製薬企業や医療機関、患者のみならず、CRO、SMOと治験のステークホルダーが増え、連携の重要性が高まる中、被験者リクルートに関してはヒューマが橋渡しの役割を担う。その実現に向けてはまず、一般者への治験の認知が大事だ。被験者支援部課長の伊藤寛之氏は、「誰でも治験を知っているという環境構築に貢献したい」と力強く語る。




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