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【ライフサイエンス・サミット】国際共同治験推進を宣言

2008年04月22日 (火)

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■環境整備の一層の充実要望

第8回ライフサイエンス・サミット
これからの治験への支援等が話し合われた

 ライフサイエンス・サミットが21日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで産学政官関係者を招き開かれ、日本の医療、医薬品産業の国際競争力強化のために課題となっている国際共同治験の実施に向けた取り組みについて意見が交わされた。産官政学の各分野の第一線にいるパネリストの中からは、治験の1施設当たりの症例数の少なさが、コスト高やスピードの遅さにつながり、日本が国際共同治験に参加する際のネックになっているとの指摘があり、治験支援スタッフの増員、治験実施施設のネットワーク、治験の電子化などを求める声が上がった。それらを受けサミットでは、臨床研究の促進のための環境整備、承認審査体制の強化のほか、治験・臨床研究拠点の強化と国際共同治験の推進などを盛り込んだ大会宣言を採択した。

 サミットは、ライフサイエンス推進議員連盟の尾身幸次会長らが組織する実行委員会が主催しているもので、今年で8回目。今回は、医薬分野では「イノベーションの促進」をテーマに掲げ、その基礎となる臨床研究・国際共同治験の実施体制整備に焦点を当てた。

■「日本の遅れ」懸念の声

 あいさつに立ったライフ議連の尾身会長は、産学政官が協力し、「ライフサイエンスを発展させ、日本はもとより、世界に貢献していくことが大事」と指摘。しかし、主催者の一人のバイオ産業人会議の歌田勝弘世話人代表のあいさつや、パネルディスカッションでの尾身氏ら参加者からは、日本も努力しているが、それ以上に世界の動きが早く、日本の取り組みの遅れが目立つことが指摘され、国際競争力の面からも懸念する声が上がった。

 パネルでは、産業の立場からエーザイの内藤晴夫社長は、新薬開発に国境はない以上、日本を含めた「一層の国際共同治験の実施を目指すことは当然」とし、日本が参画していくには、治験を実施する1施設当たりの症例数をより多く確保することがカギになると指摘した。症例数が少ないために多数の施設と契約し、その分モニターも確保しなければならず、結果としてコスト高、スピードの遅さにもつながっているとして問題視。症例確保のため治験実施施設のネットワーク化を求めた。

 その点は、臨床の立場から発言した、北里大学東病院の熊谷雄治治験管理センター長、癌研有明病院の武藤徹一郎メディカルディレクター・名誉院長も必要性を強調した。抗癌剤の治験について武藤氏は、がん拠点病院の活用を訴え、「治験を義務付けるような施策をしないとうまくいかない」と述べた。

 治験を受託するクインタイルズ・ジャパンの成松洋社長は、やや極端な言い方と断った上で、世界はFDAの承認を取るために動いているとして、FDAを標準とした取り組みが必要だと主張。[1]電子申請に必要なデータの信頼性確保の基準である21CFRパート11の構築[2]英語の標準的な使用[3]GCPの標準化””を提言した。

■必要な“司令塔”設置

 科学技術振興機構の井村裕夫主席フェローは、制度面の課題に触れた。実施環境整備に向けた各省ごとの取り組みを評価しつつも、「日本全体のグランドデザインを描き、着実に手を打っていくガバナンスが不足している」と述べ、総合科学技術会議の下に、重点分野や予算の執行の基本方針を示す「健康研究会議」(日本版OSCHR)の設置を提案した。

 また、薬事行政について審査と承認が分離し、臨床研究と治験を別々に管理している現行制度に問題意識を示し、それらを一体的に行う医薬品庁(日本版FDA)の設置も求めた。

 基調報告を行ったライフ議連の細田博之幹事長も、井村氏同様に問題意識を示し、ライフサイエンス研究の司令塔としての日本版NIH、日本版FDAの設置が必要だとした。

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