2006年7月3日 (月)
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子どもとメディアについて考える
保科清(山王病院小児科部長・日本小児科医会会長)

 ここでメディアというのは、子どもが関係を持ちやすいテレビ、ビデオ、テレビゲームに加え、パソコン、携帯電話なども含まれます。しかし、接する年齢は少しずつ違っていますが、全体的な話しとして読んで下さい。

 6か月頃の赤ちゃんが横になっている場所や、座っているところでテレビやビデオをつけていると、赤ちゃんは大人しくしています。お母さんは勘違いをして、赤ちゃんがテレビやビデオを楽しんでいると思ってしまいます。その内容は何であれ、光がチカチカするために赤ちゃんはジッと見つめているのです。203歳のお子さんにも同じことです。わざわざ光がチカチカするような映像をビデオにして売り、儲けている会社もあるくらいです。

 テレビやビデオに赤ちゃんのお守りをさせて、その間にお母さんは家の仕事を済ませてしまいたいのでしょう。

 テレビやビデオは、向こうからの一方的な押しつけで、対話は成り立ちません。まして、チカチカする光を見ていると、脳の一部は興奮状態となり、その他の部分は活動を停止しているのではないかと思われるくらいにほとんど働かないし、その後で眠くなっても興奮状態は持続して安眠できないとされています。そのために寝起きが悪くなるのでしょう。

 最近、キレル子どもが増えているのも、小さな時にテレビなどを長時間見させているからではないかと思われることがあります。

 テレビゲームにしても、相手を倒していくと勝ちますが、逆に倒されると負けますので、負けそうになるとゲームを中断してリセットすれば、また生き返ってゲームを始められます。この繰り返しで、人間が死んでも、リセットすれば生き返ると思いこんでしまうためにおこる少年犯罪事件もあります。

 パソコンにしても、インターネットで検索すれば、知りたいことはほとんど手に入ります。辞書や本で調べる必要がありませんので、思考過程が短絡的になります。

 メールにしても、言葉や文章に注意しないと思わぬ誤解を生んで、取り返しのつかないことになります。いつもの会話間隔で書くと、その場の雰囲気が違っているからです。

 携帯電話にしても、道を歩きながらメールを作成したり、ネットを見ていたりして前も見ずに歩いている子どもだけではなく、大人もいるくらいです。

 ご両親が相談して、1日だけでもテレビやビデオを消してみませんか。お子さんとの会話も、ご両親の会話もはずんでくるかも。

 (注)保科先生の著書「子育ち、親育ち」(発行・薬事日報)が、日本図書館協会選定図書に指定されました。

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