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16日に東京都は、輸入化粧品(クリーム)からステロイドが検出されたとして、輸入販売会社に対して販売中止と回収を指示した。「ステロイドは一切含まない。」との文言も訴求にあったようであるが、全くの虚偽表示である。
現在、吉田法務事務所では化粧品基準と製品との適合性に関してコンサルタントサービスを実施しているが、輸入品に関しては特に留意して成分確認を行っている。
なぜなら、輸入者が成分把握をする際に、最終的な根拠を担保しないまま輸入するケースが多く見受けられる為である。
まず、基本的なトラブルとして、言語の違いによって円滑な意思疎通が困難であるために発生するもの。
そして、文化、法制度、コモンセンスの違いにより、外国メーカーサイドから発生するトラブル(例えば、製造販売業者に対して何も告知せずに成分、製造方法を変更したりすること等)。
これらの原因により、輸入者すら想定していない成分がある日突然、製品に混入するということも!
トラブルの原因はまだある・・・。
化粧品の品目申請に対する現在の法制度の甘さ。
いわば規制緩和の弊害。
化粧品の輸入と言えば、薬事申請上、化粧品外国製造業者届出、化粧品製造販売届出、化粧品輸入届出の3つの申請を要求されるが、これらの申請には全て、裏付け書類(品質、有効性、安全性に関するデータ等)が添付されない。そして、薬事法務に触れない方にはよく驚かれるが・・・化粧品の成分自体は申請上、どこにも記載されない。つまり、行政は販売名と簡単な製造方法のみで書類を受理し、簡単に世に製品が出てくる!
極端なことを言えば、書類さえ整えば申請は通る。
だから、今回の事件は氷山の一角といえる。
法制度の運用を変えない限り、今後も似たような事件は発生するという予測も容易になされうるであろう。
実際に吉田法務事務所では、頻繁に次の様な相談を受ける。
「化粧品にホルムアルデヒド(化粧品基準では、ネガティブリストに記載。つまり配合されていてはいけない成分)が検出されたら、絶対に輸入できないのでしょうか?」
「化粧品は全成分表示が義務づけられていますが、表示されている成分が全部入っているかどうか、誰が調べるんですか?誰も調べられなければ、嘘でも販売できますよね?」
輸入者自体も規制緩和の意味を理解していない場合が多い。
現在、化粧品は全成分表示が原則。
過去には指定成分のみを記載していたので、そのなかで自分が苦手なものは一目で確認することが可能であった。しかし、今は全成分表示になり、旧指定成分とそれ以外の成分の区別が無い。つまり、成分は表示されているものの全てに目を通さないと完全に把握が出来ない。
輸入化粧品に限らず、国内品も同様である。
つまり、最終的に、消費者が自ら使用する化粧品に配合されている成分を主体的に知り、選択する知恵を身につけなければならない。
私は薬と法律の立場から、化粧品そのもの、法律自体を否定しているわけではない。
化粧品の「現在のシステム」を業者、消費者ともに「有効活用」出来ているとは必ずしも言えない現状に対して、再度、「違った視点」を持つきっかけを提案したく、この記事を執筆した。
今後も時事問題に対して、業界の本音を含めて紹介していきたい。
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