第一三共は、2010年4月から子会社のアスビオファーマを創薬ベンチャーとして事業再編し、来年10月に神戸医療産業都市に移転すると発表した。6月からアスビオファーマの新社屋建設に着工する。
アビオスファーマは、02年12月にサントリーの医薬事業部を分割し、旧第一製薬とサントリーの共同出資による「第一サントリーファーマ」として設立された。サントリーの医療用医薬品事業を引き継ぐ形で、研究開発活動を中心に展開。不整脈治療薬「サンリズム」、先天性代謝異常疾患治療薬「ビオプテン」などの製品を発売してきた。
今回、研究・臨床開発・企画機能が一体化した創薬活動を強化するため、10年4月にアスビオファーマが保有する製品、知的財産権、後期臨床開発、製薬技術研究などの権利・機能に関して、第一三共グループ内で再編を行うことを決定。製品の生産機能を第一三共プロファーマに移管し、効率化を推進する。
一方、新規候補化合物の探索研究から前期臨床開発に関わる創薬コア機能は、引き続きアスビオファーマが担い、独自の開発パイプライン獲得に向け、グループ内創薬ベンチャーとして新たな活動を開始する。
アスビオファーマは、事業再編後の10年10月には国内3カ所に分散している創薬コア機能の拠点を、ポートアイランド第二期の神戸医療産業都市に集約し、先端医療センターや理化学研究所、バイオベンチャーとの共同研究など、社外ネットワークを活用した創薬活動を推進していく方針。
新アスビオファーマは、ポートアイランド第二期の敷地面積約1万m2に、地上6階建ての研究所を建設し、約200人の従業員でスタートする予定。