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【文科省】児童・生徒のアレルギー疾患を調査

2007年04月23日 (月)

 文部科学省は「アレルギー疾患に関する研究調査報告書」を公表した。報告書では、多くの学校でアレルギー疾患の実態把握に努めているものの、その対策はまだ不十分で、医師が関与する仕組みや、医学的根拠に基づく対策の実施が必要だとしている。

 調査は、全国の約3万7000の小中高を対象に2004年6月末の、▽児童・生徒のアレルギー疾患の実態▽疾患ごとの学校の取り組みの現状””をアンケートしたもの。対象となった児童・学生数は約1277万人。

 児童・生徒の各種アレルギー疾患有病率は、喘息が5.7%、アトピー性皮膚炎5.5%、アレルギー性鼻炎9.2%、アレルギー性結膜炎3.5%、食物アレルギー2.6%、アナフィラキシー0.14%となっている。

 有病率に関し報告書では、健康診断情報に基づいた調査であったことから、概ねこれまでの疫学調査結果から推測される範囲内だとした。しかし、アレルギー性鼻炎・結膜炎については、従来調査よりも低く、その原因として、健康診断での把握が十分されていないと分析している。

 実態把握に関しては、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アナフィラキシーの4疾患は95%以上の学校で行われていた。一方、アレルギー性鼻炎・結膜炎の実態把握は80%程度と低く、児童・生徒の有病率が高いことから、より質の高い情報収集ができる調査方法を検討すべきことが望まれている。

 実際、各校で取り組まれている対策には、課題が多いようだ。例えば、喘息の緊急時の対応は58%、体育授業等への配慮は70%、学校への持参薬の確認に至っては37%の学校が取り組んでいるに過ぎず、重症の喘息発作への措置方法を教職員全員で確認する必要性や、医薬品の持参・使用に関する情報を学校側が把握する仕組み作りが求められている。

 また、アトピー性皮膚炎では、体育授業等での配慮は46%、温水シャワー設置は15%にとどまっていた。汗や紫外線、プールの消毒などが、アトピー性皮膚炎悪化の一因になり得るといった基礎知識が、教職員に不足していることや学校側の取り組みも遅れている状況が明らかになった。

 アレルギー性鼻炎・結膜炎でも、掃除当番(飼育当番)や体育授業への配慮は、それぞれ15%、30%で取り組まれているに過ぎなかった。

 アナフィラキシー緊急時の対応が行われている施設も65%でしかなく、薬の保管場所提供はわずか13%でしかなかった。アナフィラキシーは発症すれば生命にも関わってくるだけに、発症原因や症状等に関する情報や、発症時の対処方法についての共通理解は欠かせないと指摘された。また、自己注射をしている児童に対する「学校での医薬品預かり」のような仕組みの確立が重要だとされた。



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