後発品の使用状況に関する中央社会保険医療協議会の2011年度特別調査の結果速報が21日、明らかになった。薬局が応需した全処方箋のうち、医師が「後発品への変更不可」としなかったのは69.0%で、前回10年度調査より2.0ポイント多く、このうち1品目でも後発品を調剤した処方箋は46.8%で、前回から2.1ポイント上昇した。後発品への変更を進めるための要件では、複数回答・単数回答ともに「一般名処方が普及すること」が最も多く、複数回答では「価格のバラツキや品目数の整理統合」が2番目に多かった。
薬局調査によると、数量ベースの後発品調剤率は平均24.3%で、前回から0.8ポイント伸びた。在庫がなかったり、不動在庫になりそうな場合の調整方法では、最多が「近隣の薬局に電話やメール等で連絡をとる」の41.8%で、「備蓄情報共有のためのシステム等に加入」も11.7%と多く、システム加入のための会費や通信料は1カ月平均2970円で、中央値は1500円だった。
保険者が加入者に配布している後発品希望カードや、先発品との差額を通知するサービスの効果については、希望カードは66.0%、差額通知は54.5%が「説明や変更調剤がしやすくなった」と答えた。
薬局が説明したにもかかわらず患者が後発品を希望しなかった理由では、「医師の処方した薬を変えることに抵抗があった」が30.2%で最も多かった。
後発品普及策としてメーカーや医薬品卸業者に望むことでは、「患者1人分など、分割や少量での販売」「品目数の多さの是正」が多かった。
病院・診療所調査では、後発品を採用する際に重視することを調べたところ、治療効果の同等性、適応症の同一性などと共に、特に病院では「信頼のおける後発品メーカーが扱う後発品」を挙げる意見が多く、「先発品メーカーが扱う後発品」を上回った。
薬局からフィードバックされた情報の管理については、診療所、病院ともに6割以上がカルテに記載しており、3割程度が情報を活用していた。
メーカーや医薬品卸業者に望むことでは、分かりやすい販売名、照会への迅速・適切な対応のほか、病院は「品切れ品目がないよう在庫を常に確保」、診療所は「品目数の多さの是正」が多かった。
患者調査では、差額通知を受け取った人の約半数が、後発品に変更したことが分かった。