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【看護師CEによる患者支援】IQVIAジャパン(ペイシェント・サポート・プログラム)

2020年12月25日 (金)

PSP、国内で本格展開へ

クリニカルエデュケーターの高田氏

クリニカルエデュケーターの高田氏

 IQVIAジャパングループは、看護師免許を持つクリニカルエデュケーター(CE)が薬物治療を受ける患者の治療支援などを行う新事業「ペイシェント・サポート・プログラム」(PSP)について、国内で本格展開を開始する。IQVIA所属のCEが、顧客企業の薬剤の治療導入から継続を一連で支援するもので、現場の医療者と連携して直接的、間接的に患者とのコミュニケーションを実践し、治療アウトカムの向上を目指す。CSMS事業本部でCEを務める高田皓美氏は「臨床経験のある看護師だからこそ、医療者、そして患者の皆さんの悩みやニーズを汲み取ることができる。だから、製薬企業が伝えたい情報を現場のニーズにマッチさせて提供できる」と話している。

治療アウトカム向上目指す

 CEは、患者に対して電話、面談、メール、SMS、アプリケーションを用いて、薬剤の適正使用の推進等を行う。治療導入時のフォローに始まり、治療開始直後や自己管理など、治療ステージや疾患、服用している薬剤に応じた継続的な支援を行うことで、アドヒアランスを高め、治療アウトカム向上につなげる。

 具体的には、病気を受け入れられず治療に踏み切れない患者や治療効果・副作用に不安がある患者に対しては、疾患・薬剤に関する情報提供を行い、理解度を深める。治療開始時には、投薬スケジュールの管理や、治療に必要な手技の説明等を行いサポートする。

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 治療開始後は、添付文書や患者指導資料等に記載されている安全性情報等を提供することで、治療を継続しやすい環境を整える。自宅で自己管理する段階の患者には、服薬状況の確認等を行う。

 高田氏は「患者の皆さんには、治療以前にそれぞれの日常生活がある。仕事があり、家庭があり、女性であれば出産があり、看護師だからこそ生活に合ったサポートができる」と強調する。

 IQVIAではこれまで、グローバルの経験をもとに、10年ほど前から先駆けてCEを活用した看護師向けのアプローチを展開。「Peer to Peer」の実践的な服薬・注射手技や副作用マネジメント、患者ケア等の指導を通じて、治療アウトカム向上に寄与してきた。そのノウハウに基づき、より直接的に患者支援を行うPSPと2本柱でサービスを展開する。

看護師の視点で患者を支援

 臨床経験のある看護師の視点から集まる副作用情報や服薬の中断理由、治療満足度などのデータは、製薬企業にフィードバックされる。これまでとは異なる切り口での様々な情報が集積できるため、高田氏は「これまでよりもエンドユーザーの顔が見えるようになり、そこから得られる患者の皆さんの生の声は、今後の開発や情報提供に生かすことができるのではないか」と展望を示す。

 高田氏が担当したのは、新しい投与経路を持つ製剤のプロジェクト。自己管理がしやすくなりQOL向上が期待される半面、投与後数日間は副作用が強く発現し、十分な治療効果が得られる前に治療を中断するケースも少なくなかった。

 このため、医療者、患者目線から、薬剤の利便性を訴求した上で、副作用の発現前に医療者に対してコントロール方法や、痛みとの向き合い方などの患者指導法を実践的にアドバイス。その結果、治療継続率は2倍超に改善した。

 高田氏は「医療者や患者の皆さんのマインドを変えられたことは大きなインパクトがあった」と振り返る。

 高田氏は、自身が看護師として医療機関に勤務していた経験から「医療機関の規模や医療者によって情報量やその理解に差があり、十分に情報が行き渡っていないケースもあるという印象」と指摘。「情報の質は担保したまま、医療満足度の向上に貢献ができる。全てのステークホルダーにとってお役に立てるサービスとして貢献していきたい」と意欲を示す。

 こうした中、IQVIAでは、新型コロナウイルス感染症の影響で受診控えやオンライン診療へのシフトにより、患者のフォローアップが難しくなっている状況や、グレーゾーン解消制度によって公開情報に限った患者への直接的な情報提供は医師法上の“医行為”に該当しないとの回答が関係省庁から示されたことも受け、PSPを積極的に国内展開していく方針だ。

 既に海外では、約10年前からPSPを展開しており、100以上の疾患領域と400以上のプログラム導入実績がある。PSPの導入により、関節リウマチ、乾癬、クローン病など自己免疫疾患者の薬物療法におけるアドヒアランスを改善した事例もある。

 適切な治療導入、継続が行われず治療アウトカムが悪かった患者に対し、メールや電話による定期的なコミュニケーションを行った結果、投与期間の改善効果等が得られているという。

 今後、まず癌領域、希少疾患領域、バイオ製剤を中心に注力し、事業規模を現在のCE数十人体制から大幅に拡大していく考えである。独自のPSPのデジタルエコシステムである顧客管理システム「Voyager」や患者向けアプリケーションも活用し、PSPを導入する企業のサポート体制も充実させている。

 さらに、IQVIAでは、患者のニーズの多様化を背景に、医療現場以外でも医療への貢献や連携が望まれていることから、ヘルスケアに携わる人材教育事業にも乗り出す。医療現場での経験・知識に加え、企業に求められるスキルを備えた人材育成を行う方針だ。まずは看護師を対象とし、来年からセミナーを開講する予定。トライアルとして当面は無料で受講できる。

 患者、医療者、ライフサイエンス企業一体での患者中心の医療の実現に向けた新たな取り組みに期待が高まる。




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