学校法人医学アカデミーグループ薬学ゼミナール
「基礎科目(物理、化学、生物)は早めに対策!」を合言葉に、これまで生物の勉強に力を入れてきた方も多いのではないでしょうか。これからは、薬剤師国家試験の本番まで、これまで学修してきた知識の活用方法にも目を向け、点と点を線でつなぐ意識を高めていきましょう。その一例として、今回は生物の実践問題に焦点を当てます。
近年の国試における生物の実践問題では、臨床に即したテーマについて「生物の視点で考える」内容が多く出題されています。第111回国試で実際に出題された問題を見ながら、知識の活用方法を確認してみましょう。
【生物】国試出題例
111回国試 問222(参考正答率66%)、問223(同20%)
問222(実務)
問223(物理・化学・生物)
解答番号 問222 1、4 問223 1、5
解き方のポイント 閉塞性黄疸(胆嚢結石により胆道が閉塞して黄疸発症)の症例を用いた本問題において、問223の選択肢4と5は疾患による検査値等の変化を推察する「病態生理」の知識を必要とする内容です。
一方、選択肢1~3は、生体内での代謝や運搬過程について「生物」の知識を必要とする問題であり、前後で行われる反応から2つのビリルビンを構造式ベースで判別することが求められています。
このように、「生物」として出題されている問題であっても実際には生物以外の科目の知識も必要とする問題が増加しているのが近年の実践問題の特徴です。そのため、特定の科目だけに偏った勉強にならないようにしましょう。
薬理や病態生理・薬物治療など生物との関連が深い科目では、共通のキーワードを見つけたら生物の青本などの参考書に戻ることで、科目連動を意識した学修ができます。
【勉強のコツ[1]】出題頻度や他科目とのつながりを意識
生物は次の優先度で学修を進めるのがオススメです。
解剖・生理学(機能形態学)>免疫学・微生物学>生化学>分子生物学
既出問題を解いて、一問一答でも正誤の判断ができるようにしましょう。また、選択肢について、簡単な解説を自身の言葉でまとめられるようにしましょう。
特に、正誤の判断はできるのに、自分の言葉でうまく説明できない範囲には伸びしろがあります。青本などの参考書を用いて再インプットを実施しましょう。
【勉強のコツ[2]】関連科目の範囲をセットで学修
関連する生物、薬理、病態生理・薬物治療の範囲をセットで学修しましょう。例えば、薬理、病態生理・薬物治療で感染症の範囲を学修する前後で、生物の微生物学・ウイルス学の範囲の振り返りを行いましょう。
薬理や病態生理・薬物治療の学修を進めていく中で生物の範囲でも登場する共通キーワードを見つけた際には、生物の参考書でもそのキーワードに関する情報を整理しましょう。今回の例示問題であれば、「ビリルビン」というキーワードを、生物ではビリルビンの代謝、病態生理では黄疸の検査値として確認しましょう。また、実践対策からは少し逸れますが、必須問題では疾患につながる臓器や組織図の出題が増えています。病態生理・薬物治療の範囲で出てきた疾患の関連部位は、生物の参考書でも図などで確認しておきましょう。
【勉強のコツ[3]】副作用や相互作用に着目
医薬品の代表的な副作用や相互作用について、生じる過程や理由などを自身の言葉で説明できるように整理整頓しておきましょう。例として、アザチオプリンとフェブキソスタットやアロプリノールなどのキサンチンオキシダーゼ阻害薬の相互作用(参照:第106回国試問220~221)が挙げられます。
薬理で学修する医薬品の作用機序と、生物で学ぶ核酸の代謝経路の知識をつなげることで、薬物治療や実務で問われる副作用や相互作用の内容を理解することができます。
【まとめ】
今回紹介した薬理、病態生理・薬物治療との連動以外にも、生物は化学、衛生、実務など他科目とのつながりがたくさんある科目の1つです。それぞれの科目の知識の深掘りも必要不可欠ですが、秋から冬の国試直前に向けては科目間のつながりを意識した勉強をどんどん取り入れていきましょう。まずは「共通するキーワードからそれぞれの科目の知識を振り返る」を第一歩として科目間をつなげる意識を持っていきましょう。
他科目のつながりが見えてくると勉強がどんどん楽しくなる一方で、たくさん時間を使ってしまう危険性もあります。キーワードから色んな科目につなげる際には、10分調べて分からなかったら次に進もうといった具合に、調べる時間を決めて勉強することもオススメです。国試合格に向けて、今後の勉強も引き続き頑張りましょう!
薬学ゼミナールの薬学生のための情報サイト「Capsule」(https://capsule.yakuzemi.ac.jp/past_exam)にて、国試の問題解説を無料で視聴できます。国試の学修に役立ててください。



















