富士通は10月8日、米国ニューメキシコ州と、量子コンピューティングにおける技術開発と専門人材育成を行う量子コンピューティング研究センター設立に向けた協業を開始した。同センターは、量子コンピューティング分野におけるハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズム、理論にわたる先端研究開発を行うと共に、量子コンピューティング分野の人材の裾野を広げ、産業界、学術界、政府、および研究コミュニティ間の連携を強化するための教育や人材育成を担っていく。
同センターは、富士通が持つ高度なコンピューティング技術および量子コンピューティング技術に関する専門知識と、同州の科学・研究エコシステムの連携を強化するもの。
同社は、同州と研究協力、インターンシップ、学術連携、その他の人材育成プログラムを通じて、学生、研究者、エンジニアが新たな量子コンピューティングにおける経済システムに参画するための道筋を創出していく。
同州は、量子コンピューティングの研究および技術開発に注力しており、関連する事業を設立・拡大し量子エコシステム形成を目指す企業を支援するため、1億5000万米ドルの拠出を表明している。
今回の協業は、同州の広範なビジョンである、先進技術や高度なスキルを必要とする産業への投資を通じて、産学官の連携により革新的で持続可能な未来の構築を推し進めるもの。富士通は同州と共に、高度な専門人材の雇用創出や人材育成の機会拡大、また、最先端の量子コンピューティング分野の高度専門人材や民間からの投資を誘致していく。
富士通は、同協業の一環として、サンディア国立研究所、ロスアラモス国立研究所、ニューメキシコ大学、ニューメキシコ州立大学などと、同州の科学・学術機関の強みを活かした共同研究の機会を検討していく。なお、ニューメキシコ州立大学とは2025年10月から、同社の次世代CPU「FUJITSU-MONAKA」および関連するハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野において共同研究を行っている。
同社はまた、クオンタム・ニューメキシコ・インスティチュートと連携し、共同研究の拡大に向けた仕組み作りや、量子コンピュータのアルゴリズムやアプリケーション、システムなどの先進的な研究を推進していく。さらに、量子コンピューティング、量子シミュレーション、AI、および古典的なHPCを最適に組み合わせたハイブリッド環境における「FUJITSU-MONAKA」ベースのHPCの役割について、共同で検証を行っていく。
実用的な量子ワークロードの処理には、データの準備、大規模シミュレーション、最適化、制御、エラー緩和、検証といったタスクにおいて、古典的なシステムとの連携が不可欠となる。一方で、量子プロセッサは、その独自の優位性を発揮できる特定の計算タスクに適用される。
この統合的なアプローチによって、耐障害性の実現を見据えた技術進化を加速させ、材料・創薬、製造、エネルギー、金融サービス、物流などの幅広い分野でのアプリケーション開発を推進していく。
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